誠也ミスった…バントサイン見逃す 同点8回無死一塁で痛恨

[ 2016年10月27日 05:45 ]

SMBC日本シリーズ2016第4戦 ( 札幌D )

<日・広>8回無死一塁、鈴木がバントを失敗する
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 潮目が変わった。マツダスタジアムであれほど決まった采配が、北の敵地では肌寒さを感じるほどに空回りする。サインプレーの失敗に2度の盗塁失敗…。得点は敵失絡みの1点だけで連勝後に連敗を喫し、広島の緒方監督は声を絞り出した。

 「見えないところでこのシリーズ、しっかりしないといけない部分が多少ある。ミーティングでは確認しているけど、大舞台の中で若さというか…。それも含めて、こっちの責任だけどね」

 象徴的なのが1―1の8回。先頭の新井が四球を選び、赤松を代走に送った。だが、鈴木は送りバントのサインを見逃し、初球を空振り。河田三塁コーチが慌てて駆け寄って指示したものの、2球目のバントはボール球に手を出してファウルとなった。最後はヒットエンドランで右飛…。同コーチも「流れ的に一発で(バントを)決めてほしかった」と渋面だ。

 続くエルドレッドも右飛に倒れ、2死一塁。苦境を打破しようと、途中出場した野間の2球目に赤松が試みた二盗も失敗した。4番に代走を送る指揮官の勝負手が、得点に結びつかなかった。

 その裏には、新井に代わってエルドレッドが一塁守備に就き、DHを解除した4番にはジャクソン。一塁を守れる小窪を後で代打起用したかったための苦肉の策だが、仮に延長戦突入となれば、投手に打席が回るたびに代打を出す必要に迫られる。その時点で劣勢は予見されたともいえる。

 5、9回の2死満塁では新井、丸が凡退。押し切れなかった。典型的な内弁慶シリーズ。そうは言ってもまだ五分だ。緒方監督は「まだ2勝2敗。明日しっかり戦い、勝って広島に帰りたいね」と前を向いた。(江尾 卓也)

 ▼広島・エルドレッド(シリーズ新記録の4試合連続本塁打ならず)個人記録は“できればいい”ぐらいで、気にはしていなかった

 ▼広島・菊池(今シリーズチーム初の1試合3安打)最後はみんなでつないでいくシーズン通りの攻めができた。

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2016年10月27日のニュース