レア弾でハムタイ勝 栗山監督「しびれた」新パフォ焼き鳥も披露

[ 2016年10月27日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2016第4戦 ( 札幌D )

<日・広>8回裏2死一塁、寿司ポーズに続く焼き鳥ポーズを披露するレアード
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 日本ハムが誇るパ・リーグ本塁打王が2勝2敗のタイに戻す一発だ。ブランドン・レアード内野手(29)が26日の第4戦で1―1の8回、今シリーズ2号の決勝2ラン。得意の寿司ポーズに加え、焼き鳥を焼く新パフォーマンスで歓喜した。0―1で迎えた6回には4番・中田翔内野手(27)が今シリーズ初本塁打となる同点ソロ。敵地連敗の暗雲を、札幌ドームに戻っての連勝で完全に吹き飛ばした。

 興奮のあまり、お決まりのポーズを忘れた。レアードはホームインする直前に思い出したかのように「寿司」を握り始め、ベンチ前では新パフォーマンスも飛び出した。両手で串を回し、「焼き鳥」を焼くポーズ――。

 同点の8回2死一塁。ジャクソンの外角スライダーを強振。弾丸ライナーでバックスクリーン左に決勝2ランを突き刺した。札幌ドームに地鳴りのような歓声が響いた。

 「ピンチの時は必ずスライダーが来ると思った。負けられない一戦で本塁打を打てて、幸せな気分だった」。シリーズ2号。ポストシーズン4発目と本塁打王の力を発揮するが、この打席までは7打席連続無安打でいらだっていた。「(球審の)判定でいらいらしていた。あの打席は切り替えて臨めた」。これこそ日本で覚えた我慢だ。ジャクソンの決め球はスライダー。冷静に狙いを定め、結果で示した。

 「しびれました。久しぶりに興奮した」と栗山監督。レアードに我慢を教えた、その人だ。来日1年目の昨季は6月が終わっても打率1割台の大不振。だが、指揮官はスタメンで使い続けた。ある時、監督室に呼び「リラックスして楽しんでプレーしてくれ。シーズン後半になったら必ず打てるから」と背中を押した。終わってみればリーグ2位の34本塁打。この日も本塁打の直前、ベンチで「いらいらするな」と助言していた。

 「祖父のために優勝すると約束したんだ」

 レアードはダイヤモンドを一周しながら、右手首の内側にキスをした。クライマックスシリーズ直前に祖父のジェラルド・リー・レアードさんが死去。米国でその瞬間に立ち会い、再来日後はスパイクと帽子のひさしに「G・L・L」のイニシャルを書いた。今シリーズ前には打撃用手袋の内側に「Grandpa(祖父)」と記入。寿司ポーズは忘れても、祖父への思いは忘れなかった。

 初披露した新パフォーマンス。実は焼き鳥もお気に入りで、札幌市内に行きつけの店もある。「握り」だけでなく「焼き」も新たに加えるように以前からナインに促されていた。「みんなが盛り上がってくれて本当に幸せ。人生が終わるころには、いろんなものを作れるようになっているだろうね」とアメリカンジョークもさえた。

 お立ち台では「ファイターズ、ダイスシ(大好き)」と叫んだ。10年前の10月26日は、中日を4勝1敗で下し、北海道移転後初めて日本シリーズを制した日だ。歴史的な日に、胸のすく勝利。これでチームが勢いづかないはずがない。(柳原 直之)

 ≪日本ハム打者の決勝弾は5人目≫日本ハムのレアードが決勝本塁打。日本ハム打者の決勝本塁打は62年第5戦岩下、同第7戦西園寺、06年第5戦と07年第1戦のセギノール、09年第2戦と12年第3戦の稲葉に次ぎ5人目(7本目)になる。またレアードは今季本塁打王。同タイトル獲得者のシリーズ決勝アーチは昨年第3戦の山田(ヤ)以来9人目(16本目)で、チームではレアードが初めて。

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