ソフトB今宮V弾 24日M6再点灯も「何が起こるか分からない」

[ 2016年9月24日 06:00 ]

<西・ソ>工藤監督(左端)らに迎えられる今宮(中央)

パ・リーグ ソフトバンク8―0西武

(9月23日 西武プリンス)
 希望を紡いだ。日本ハムとの天王山で連敗したソフトバンクに活を入れたのは、今宮だ。3回2死一塁、西武・菊池の真ん中144キロ直球を1メートル71の体が捉える。

 「まだ、先はある。折れるわけにはいかない。負ければ自分たちに力がなかったということ。最後まで信じて頑張る」。プロ7年目にして初めての2桁となる10号先制2ランが左翼席に飛び込んだ。

 球界屈指のバント巧者も、明豊(大分)時代は高校通算62本塁打のスラッガー。甲子園でしのぎを削った同学年の好敵手から奪った初アーチで波に乗った。4回2死満塁では「たまたまが続きました」と左翼線へ2点二塁打を飛ばして4打点。「7年目だし、お互いそういうのはない」と対抗心を否定しながらも、7回無死でも右前打し、6月29日ロッテ戦(ヤフオクドーム)以来の猛打賞をマークした。不振が続き、1番起用は7月26日の楽天戦(コボスタ宮城)以来約2カ月ぶり。全力で期待に応えた。

 日本ハムにマジック6が点灯し、2ゲーム差。崖っ縁に立たされた工藤監督は都内の宿舎を出発する前、全選手、スタッフを集めた。「闘志、執念を持って戦おう」――。今宮の打順変更のほか、9番に8月4日以来の先発となる交流戦MVP男・城所を起用。練習では外野まで出向いて「ハムストリング(太腿裏の筋肉)を使え」と直接指導した。3回、今宮の2ランにつなげたのは2死後の城所の右前打。「(城所が)足が速いから、甘い球が来た」と今宮もアシストに感謝した。

 日本ハムは敗れ、再び1ゲーム差。24日にも形勢逆転で3連覇へのマジックナンバー「6」が再点灯する可能性がある。今宮は「野球は何が起こるか分からないスポーツ。僕たちは勝つことしかできません」と前を向いた。一戦必勝の高校野球モード。熱パの結末に「どんでん返し」を付け加える。 (福浦 健太郎)

 ≪24日どうなる?≫日本ハムが敗れ、ソフトバンクが勝ったため、日本ハムのマジックは6で足踏み。最短Vは26日まで延びた。24日は、日本ハムが楽天に勝ち、ソフトバンクが西武に敗れるとマジックは2つ減って4。逆に日本ハムが引き分けか敗れ、ソフトバンクが勝つと、ソフトバンクにM6が再点灯する。ソフトバンクが引き分け、日本ハムが敗れてもソフトバンクにM6が再点灯する。

 ◆今宮の過去のVS菊池 明豊では花巻東(岩手)の菊池と09年春、夏に甲子園で対戦。春は2回戦でぶつかり、「3番・三塁」の今宮は4打数1安打。チームは菊池に12三振を喫して0―4で敗れた。夏の準々決勝は先発で投げ合い、今宮は自己最速の154キロをマークも、延長10回に勝ち越し点を与えて6―7で黒星。プロでは昨季まで24打数6安打の打率・250、本塁打0。今季はこの日が初顔合わせだった。

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