DeNA 10年ぶり6発巨人粉砕!筒香2発 逆転2位へ2.5差

[ 2016年9月24日 05:30 ]

<巨・D>7回2死、宮国から満塁本塁打を放つ筒香

セ・リーグ DeNA12―4巨人

(9月23日 東京D)
 DeNAの筒香嘉智外野手(24)が23日、巨人戦で2発5打点をマークし、10年ぶりとなる6本塁打の大勝劇に貢献した。7回にダメ押しの41号満塁弾を放つと、9回にも42号ソロ。シーズン9度のマルチ本塁打は02年の松井秀喜(巨人)らに並ぶ歴代5位となった。いずれもリーグトップの本塁打、打点(107)を伸ばし、2冠王に大きく前進。2位・巨人との直接対決で2・5ゲーム差に縮め、逆転2位でのCS進出を目指す。

 今までにない打ち方ができた。9回、左腕・中川が投じた内角高めの144キロ直球。筒香は差し込まれた。それでも体を後ろに反らし、フルスイングした。打球は逆方向に伸び、左翼席に届いた。2打席連発となった。

 「(体の)反応ですね」。そう言った後、言葉を続けた。「あんな感覚は初めてでした。これからもああいう本塁打を打てるようにしたい」

 同点の7回には白崎のソロで勝ち越し、なお2死満塁で右中間席に叩き込んだ。試合を決める今季初の満塁アーチ。今季9度目のマルチ本塁打でヤクルト・山田に4本差をつけた。打点も107とし、山田に7打点差で2冠王に大きく前進した。4番を中心に打線は06年6月2日の日本ハム戦(横浜)以来10年ぶりの6発で12得点を奪った。

 成長を見せたい相手がいる。尊敬する大先輩の三浦が20日に今季限りでの現役引退を発表。前日の19日に広島戦(横浜)に勝利し、球団初のCS進出を決めた後、ナインはロッカールームで引退の報告を受けた。実は、主将を務める筒香だけはその前に聞いていた。

 勝利が決まったベンチの中で「辞めるから」と耳打ちされた。信じられなかった。いや、信じたくなかった。ベンチ前で一列になってファンにお辞儀。隣にいた三浦に肩を抱かれ、もう一度言われた。「ホンマに俺、辞めるから」。その瞬間、筒香から笑顔が消えた。「え?ホンマっスか?」。チームを引っ張っていく存在だからこそ、先に伝えてくれたのだ。

 2軍生活が続いていた3年前。三浦に厳しい言葉を掛けられたこともあった。「このままで終わってええんか?」。今季は何度も食事に連れていってもらった。焼き肉店では、18歳も年上で体の大きい自身と同じ量を食べる42歳に「凄い!」と驚いた。チームにとって大きな柱を失うことになる。だからこそ、自分が引っ張っていくという覚悟を決めている。

 4連勝で借金を1に減らし、2位・巨人とのゲーム差も2・5に縮めた。本拠地・横浜スタジアムでCSを戦うためにも勝ち続けるしかない。試合後、筒香は三浦に「まだ“弾”はあるんか?」と聞かれると、笑みを浮かべながら「また、弾は詰めましたから。まだまだ打ちますよ」と返した。残り3試合。不動の4番打者に「弾切れ」はない。 (中村 文香)

 ▼DeNA・ラミレス監督(筒香について)日本一の打者。うちにいてくれてよかった。(7回の)1本で試合が決まった。

 ≪王に次ぐ若さ≫筒香(D)が今季初、自身3本目の満塁本塁打を含む2本塁打。筒香の1試合2本塁打は今季9度目で、シーズン9度は松井(巨)らと並び歴代5位タイ(9人目)。25歳シーズンにマルチ本塁打を9度以上は、64年王(巨=10度)の24歳に次いで2番目の若さになる。また、チーム1試合6本塁打は06年6月2日の日本ハム戦以来。巨人戦に限ると、68年8月21日に7本塁打(アグウィリー、松原2、重松、伊藤2、江尻)して以来48年ぶりの集中砲火を浴びせた。

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