筒香 初の大台101打点!98年松井以来25歳以下打点王へ

[ 2016年9月18日 05:30 ]

<神・D>5回2死満塁、筒香が左中間に逆転の3点適時二塁打を放つ

セ・リーグ DeNA6―3阪神

(9月17日 甲子園)
 打点も大台!DeNAの筒香嘉智外野手(24)が17日の阪神戦で3打点を挙げ、今季打点をリーグ単独トップの101に伸ばした。5回2死満塁で走者一掃の逆転二塁打。勝利を呼び、球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出へのクリンチナンバーを「3」に減らした。25歳以下で打点王となればセ・リーグでは98年の松井秀喜(巨人)以来。主砲がチームのために数字を積み上げる。

 思わず目尻が下がった。ネクストバッターズサークルにいた筒香は、四球を選んだロペスからウインクされた。「“打て”ということだったと思います」。自然と気合が入った。5回、0―2から1点を返して、なお2死満塁の絶好機。1ボールから能見が投じた外角低めへのスライダーを左中間に運んだ。フェンス直撃の3点二塁打。逆転の一打に、普段はクールな主砲も二塁上でチームメートに向けて両手の拳を突き出した。

 「絶対に還すという気持ちだった。打点は1人で取れるものじゃない。周りの選手が塁に出て、必死につないで、還すことができている。チームメートに感謝です」

 今季101打点。自身初となる3桁に乗せ、40本塁打とともに2部門でリーグ単独トップに立った。筒香は「大事なのは本塁打よりも打点」と話す。それは、本塁打よりもチームの勝利に直結する数字だから。40号の大台到達のときは素っ気なかった24歳も、この日ばかりは「一つの目標ではある」と喜びを口にした。

 左方向への打球が成長の証だ。「本塁打だけ打っていればいいわけじゃない」と、逆方向への意識を持つことで打率も残せる4番打者を目指してきた。「体が無意識に反応するまで練習しないといけない。今日は反応で打てました」。この日の3安打は全て左へ。昨季は全安打の22%だった逆方向への安打の割合が今季は32%に上がり、本塁打もゼロだったものが、40本中11本で28%を占めるまでになった。

 数年前、逆方向への打撃練習に取り組んでいたときに「振り遅れてるだけだろ」と言われたこともあった。それでも、自分の打撃理論を信じた。「変えずに取り組んできたことが少しずつ積み重なっている」。昨オフにドミニカ共和国のウインターリーグに参加したことに着目されるが、そこで劇的に変わったわけではない。信念を貫き、重ねてきた努力の結果だ。ラミレス監督も「プレッシャーの中で必要なときに打ってくれている。数字でもキャプテンシーを発揮してくれている」と成長に目を細める。

 筒香の一振りで、球団初のCS進出へさらに接近。最短で、19日にそのときを迎える。18日からは、本拠地・横浜スタジアムで広島2連戦。24歳の主将は「たくさんのファンの方の前で、勝ち試合をつくって恩返しをしたい」と宣言した。 (中村 文香)

 ≪13年ブランコ以来≫筒香(D)が自身初の大台となる101打点とした。チームで100打点は13年ブランコの136打点以来。また筒香は40本塁打と合わせて今季初めて2部門で単独トップに。チームで打点王を獲得すれば前記ブランコ以来で、日本人では大洋時代の61年桑田以来55年ぶり2人目。またセで本塁打と打点の2冠なら10年ラミレス(巨)以来、日本人では02年松井(巨)以来になる。

 ≪05年金本&岩村以来≫筒香と山田(ヤ)が30本、100打点をクリアし、ともに打率3割も濃厚。日本人打者2人が3割、30本、100打点をクリアすれば、05年のセで金本(神=・327、40本、125打点)と岩村(ヤ=・319、30本、102打点)が達成して以来になる。

 ≪CSクリンチ「3」 19日にも進出決定≫セのCS残り2枠の争いは巨人、DeNA、ヤクルトに絞られた。CSクリンチ3のDeNAは残り6試合で3勝するか、4位ヤクルトの敗戦などでクリンチが0になると球団初のCS進出が決まる。最短決定は19日で、18、19日の広島戦に連勝し、ヤクルトが18日の中日戦に敗れた場合(19日は試合なし)。

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