マエケン 1年目15勝並んだけど「改めて松坂さんの凄さ分かった」

[ 2016年9月18日 05:30 ]

<ダイヤモンドバックス・ドジャース>5回1失点で15勝目を挙げた前田(AP)

ナ・リーグ ドジャース3―2ダイヤモンドバックス

(9月16日 フェニックス)
 ドジャースの前田健太投手(28)が16日(日本時間17日)、ダイヤモンドバックス戦に先発し、5回3安打1失点で15勝目を挙げた。球団の1年目投手では、02年の石井一久(スポニチ本紙評論家)らを上回る最多記録。日本投手のメジャー1年目では07年のレッドソックス・松坂(現ソフトバンク)に並び、16勝のダルビッシュ(レンジャーズ)に次ぐ2位となった。また、投球回は164に達し、規定投球回(162)をクリアした。

 1点リードの3回1死一塁。打席に13年に本塁打、打点の2冠を獲得した主砲ゴールドシュミットを迎えた。前田が追い込んでから投じたのは宝刀スライダーではなく、内角へのツーシーム。90マイル(約145キロ)でバットに空を切らせ「外のスライダーの意識もあったと思うし、うまく内角を使えた」と振り返った。

 今季6度目の対戦となったダイヤモンドバックス戦。右打者の外角にはスライダーではなく、外角ボールゾーンからストライクゾーンに曲げるツーシームが目立った。バックドアだ。「僕は打者を見ながら抑えるための配球で対応していくしかない。打ち取るための努力をした」。引き出しの多さが自らを助けた。

 今季11試合目の中4日。ただ、体調面は万全で「体の調子が良すぎて制球が乱れた。逆に軽すぎてフワフワしていた」という。それでも、これまでにない配球で立て直せるのが前田の強みだ。5回までに94球を要しながらも1失点にとどめ、昨季ド軍で右のエースだったグリンキーとの投げ合いを2度目も制した。

 ド軍の1年目投手の記録を更新する15勝目。「大事な時期に勝って15勝できたのはうれしい」と素直に喜んだ。日本投手では07年の松坂に並ぶ15勝目となったが「僕の場合は勝たせてもらっている試合が多い。今日も中継ぎに助けられている」と語り「こっちに来て改めて松坂さんの凄さが分かった」と続けた。救援陣が強力なせいもあるが、松坂は全32試合中24試合で6回以上を投げたのに対し、前田は29試合中15試合。さらなるレベルアップを期している。

 15勝は両リーグの新人断トツで、同僚の遊撃手シーガーらとともにナ・リーグの新人王候補。あと3試合に先発する見込みで、日本投手の1年目最多のダルビッシュの16勝を超える可能性もある。次戦は21日(日本時間22日)、現在4ゲーム差の2位ジャイアンツとの直接対決。前田が地区4連覇へ加速させる。(フェニックス・笹田 幸嗣通信員)

 ▼ドジャース、デーブ・ロバーツ監督 ケンタはいつもチームに勝利のチャンスを与えてくれる。

 ▼石井一久氏(スポニチ本紙評論家)簡単に15勝と言っても、メジャーで勝つための努力や苦労は僕も分かっていますので尊敬します。ワールドチャンピオンを目指せる位置にいるので、頑張ってほしいですね。僕の記録は前田君に抜かれましたけど、2番じゃダメですか?

 ≪球団新人最多は17勝≫ド軍の1年目投手では02年の石井一久と13年の柳賢振(リュ・ヒョンジン)が14勝を挙げており、前田が記録を更新。球団の新人最多記録は79年リック・サトクリフの17勝で、メジャーデビューは78年だったが新人王有資格者だった。

 ≪日本投手新人最多はダルの16勝≫前田は新人の日本投手では07年レッドソックスの松坂に並ぶ15勝目で最多はダルビッシュ(12年レンジャーズ)の16勝。2年目以降も含めると、08年レ軍の松坂が最多の18勝を挙げている。

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