鳥谷に新たな可能性!12年ぶり三塁手でフル出場

[ 2016年9月4日 07:37 ]

セ・リーグ 阪神2―3DeNA

(9月3日 甲子園)
 勝利を呼び込めなかったが、阪神・鳥谷には大きなターニングポイントとなる試合となった。初回の守備に就く背番号1が向かったのは、“聖域”だった遊撃ではなく、三塁。18試合ぶりのスタメンは、実に12年ぶりの三塁手でフル出場した。

 「(三塁手の)準備というのは別に。WBCでもやっていますし。違和感というより、ポジションは自分で決めることができないので」

 初回先頭の桑原の打球がいきなり飛んできた。遊撃では少ない正面への強いゴロだったが、軽快に処理。ロペスの三塁線への痛烈なファウルにダイビングキャッチを試みる場面もあった。この試合は守備機会こそ少なかったが、新たな可能性を示してみせた。

 「阪神のショート」と言えば鳥谷だった。7月24日の広島戦(マツダ)で途切れた、歴代4位の667試合の連続フルイニング出場は、全て遊撃手で記録したもの。現在も連続出場を継続している1735試合の中でも、三塁でのスタメンは初めてだ。13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で守ったことはあるものの、公式戦では新人だった04年9月11日の横浜戦(現DeNA)以来の三塁手。先発出場は、同6月20日の巨人戦以来、12年ぶり14試合目となった。

 約3週間もの間、代打や途中出場が続いたキャプテンの起用法については、金本監督も思案し続けて来た。看板選手としてのプライドや連続出場記録にも配慮しながら、本人、首脳陣と何度も意見交換。将来を見据え、北條を遊撃手として育てたい意向もあった。たどり着いた一つの結論がこの日の「三塁・鳥谷」。試合後には「何回も話をして、彼も前向きというか。もちろん打撃は本調子じゃないけど、こういう時期なんで。しばらくは(スタメンで)行きます」と継続して使っていくことを明言した。

 5回先頭の第2打席で中前打を放ち、二盗も決めた鳥谷。攻守の要を務め続けて来たキャプテンが、野球人生の新たなステージに入った。 (山添 晴治)

 ≪12年ぶり三塁守備≫8月11日の広島戦(マツダ)以来18試合ぶり先発の鳥谷が三塁で出場。三塁守備は新人の04年9月11日、横浜戦(横浜)で試合途中に遊撃から移って以来12年ぶり。先発では同年6月20日の巨人戦(東京ドーム)以来で通算14度目。プロ入り後、鳥谷の守備位置は遊撃と三塁の2ポジションのみ。

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2016年9月4日のニュース