ロッテ伊東監督 来季続投へ 球団31年ぶり2年連続Aクラス確実

[ 2016年9月4日 06:56 ]

<ロ・西>勝利し笑顔でベンチを出る伊東監督

パ・リーグ ロッテ9―8西武

(9月3日 QVCマリン)
 ロッテが伊東勤監督(54)を来季も続投させる方針であることが3日、複数の関係者の話で分かった。3年契約が昨季で切れ、就任4年目の今季は1年契約で指揮。ここまで3位につけ、球団31年ぶりの2年連続Aクラス入りはほぼ確実となっている。フロントは手腕を高く評価し、長期的視野でチームを託すことで球団内の意見も一致。レギュラーシーズン終了後に正式に要請する方針だ。

 ペナントレースが大詰めを迎える中、ロッテは来季への動きも着々と進行させていた。すでに球団内では伊東監督の続投で意見が一致。ある球団幹部は「成績をみても代える理由がない。それは(重光昭夫オーナー代行側にも)すでに伝えている」と明かした。

 フロントは開幕前からAクラス入りを続投判断の目安としてきたが、2年連続のクライマックスシリーズ進出は確実な情勢だ。2年連続Aクラスとなれば31年ぶりで、千葉移転後では初めてとなる。この日も西武に9―8で競り勝ち、引き分けを挟み3連勝。伊東監督は「いい攻撃ができた」とうなずいた。4位・楽天とのゲーム差は9に広がった。

 今季は守護神の西野をはじめ、内、大谷、藤岡ら救援陣に故障者が相次ぐ中、選手を入れ替えながらBクラスに落ちることなく安定した戦いを続ける。球団幹部は「一言で言えば総合力。ケガ人が出ても、いろんな戦術で勝っていく引き出しの多さ、経験がある」と手腕を評価する。

 13年に就任して以降の4年間で鈴木、田村、石川らの若手を主力に育て上げた実績もある。「今はチームにとって世代交代のタイミング。若い選手を育ててくれている」と関係者。今季はドラフト1位ルーキー・平沢も1軍で起用して経験を積ませるなど、若手とベテランが融合したチームをつくり上げた。

 その手腕は観客動員増にもつながり、昨季の主催71試合での合計数を62試合目のこの日で早くも上回った。球団最多の160万1632人(08年)に迫る勢いだ。球団関係者は「ファンサービスにも協力してくれている」と感謝する。誕生日には選手から顔面にケーキをぶつけられるのが毎年恒例。今年8月30日にも球場の外で決行し、自らファンを楽しませた。

 正式な要請と最終決定はシーズン終了後となる。山室晋也球団社長は「すべて終わってから、オーナー代行の判断を聞くことになる」と説明する。続投が決まれば来季が5年目。5年連続となれば04~09年のバレンタイン監督以来の長期政権となる。

 ◆伊東 勤(いとう・つとむ)1962年(昭37)8月29日生まれ、熊本県出身の54歳。熊本工から所沢に転校し、81年ドラフト1位で西武に入団。捕手として現役22年間で14度のリーグ優勝、8度の日本一を経験。引退直後の04年に西武監督に就任し、いきなり日本一。07年に退任し、日本代表コーチ、韓国・斗山コーチを経て、13年からロッテ監督。監督通算565勝527敗12分け、勝率・517。

 ≪ボビーらの6年に次ぐ連続5年目≫伊東監督が来季もロッテで指揮を執れば連続5年目。チームでは54~59年別当薫監督、73~78年金田正一監督、04~09年バレンタイン監督の6年に次ぎ、99~03年山本功児監督と並ぶ連続年数になる。また伊東監督の順位は3、4、3位で、今季も現在3位。2年連続Aクラス入りなら、稲尾和久監督時の84、85年(ともに2位)以来31年ぶり。

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