山田 トリプルスリー目前ドタバタ 二盗Uターン、バレは打っちゃうし

[ 2016年9月4日 06:30 ]

<ヤ・広>5回1死一塁、何度もスタートを切る一走の山田

セ・リーグ ヤクルト3―1広島

(9月3日 神宮)
 見慣れない光景に、神宮球場がどよめいた。5回2死。四球で出塁したヤクルト・山田が鵜久森の打席で2球目に二盗を敢行。だが、一、二塁間の中間地点から右足で切り返して帰塁した。

 「無理だと思った。(黒田の)モーションが凄く速かったし(捕手の石原も)外していた。良い判断だったと思う」。石原からの送球を受けた遊撃・田中の一塁転送より間一髪早く、塁に戻った。

 事実上のトリプルスリー達成となる30盗塁に王手をかけて6試合目。試合前、珍しく宣言した。「黒田さんはなんとなく合う。走りやすい。初球からいくよ。石原さんが外してもね」。山田は盗塁を仕掛ける際に投手の一点ではなく、全体を見る。「いけるという判断は勘みたいな部分もある」と話す。

 確かな手応えを胸に秘め、走る気満々だった5回。バレンティンの打席で黒田の偽投を含む4度のけん制をかいくぐり、盗塁を2度試みたが、2球目はファウルで5球目は中飛。いずれもスタートは完璧に近かっただけに、「1球ぐらい待ってくれても良いのに」と苦笑い。バレンティンは「ホームランボールがきたから打っちゃった」とベンチ裏で弁明した。

 盗塁成功はならなかったが、鵜久森の打席で盗塁を仕掛けて帰塁した直後に試合が動いた。3球目で黒田の暴投を誘って二塁に進み、西浦の適時打で3点目の本塁生還。貴重な追加点に、三木ヘッド兼内野守備走塁コーチは「盗塁だけが野球じゃない。黒田さんも投手としていろんな技術を持っている。走塁でああいう圧力を掛けられたのは評価できる」と称えた。

 CS逆転進出へ、2ゲーム差でDeNAを追う。「まだ試合があるからね」と山田も次へ目を向けた。試合の流れを変える快足はチームに不可欠な武器だ。 (平尾 類)

 ▼ヤクルト・西浦(3、5回に適時打)つくってくれたチャンスで走者を還すことだけを考えていた。CSも残っている。とにかく勝つことだけを考えている。

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