金本監督「普通じゃ絶対に勝てないし」 阪神3日にも自力CS消滅の危機

[ 2016年9月3日 07:20 ]

<神・D>交代を告げにベンチを出る金本監督。足取りも重く…

セ・リーグ 阪神3―5DeNA

(9月2日 甲子園)
 CS切符もピンチだ。阪神は2日のDeNA戦(甲子園)に3―5で敗れ、今季最悪の6連敗を喫した。3点劣勢からゴメス、中谷の連続本塁打で反撃しながら中盤の好機で決定打を欠き、金本知憲監督(48)は「本当、ピリッとやらないと。何となく流されてやっているようじゃ、絶対に勝てない」と語気を強めた。3位・DeNAからは4差となり、3日に敗れればクライマックスシリーズへの自力進出の可能性が消滅する危機を迎えた。

 まだAクラス入りが狙える位置にいるのに、勝負どころで負の連鎖を断ち切ることができない。本来ならばラストスパートをかける時期に今季ワーストの6連敗。金本監督のコメントも、おのずと怒気を帯びた。

 「結果的に、そう(立ち上がりの3点が重かった)でしょ。本当、ピリッとやらないと。何となく流されて流れに乗って普通にやっているようじゃ、絶対に勝てないし」

 崖っぷちに立った。CS切符を争う上で絶対に負けられない3位・DeNAとの大事な3連戦初戦に完敗。3日も敗れるようであれば、リーグ優勝の可能性に続き、自力によるCS進出の可能性までが消滅してしまうことになる。秋風を吹かせるのは、まだ早すぎる。現状を打開するには、やはり打線の奮起が不可欠。だが…。この日も、拙攻にあえいだ。

 「バント失敗したり、エンドランとか…。成功したバントもあるけど。まあ得点圏に行ってから(が課題)。ずっと、もう2~3年前からの課題だけど、チャンスで打てない。考えないと本当に。どうすれば打てるのか。チャンスに強くなれるのか、ということをね」

 要所で湿るバットに首をひねるしかない。勝敗を分けたのは反撃ムードだった5、6回だ。3点を追う5回は先頭のゴメス、中谷の2者連続本塁打で1点差に肉薄。なおも1死二塁の好機をつくり出した。DeNA・石田を追い詰め、一打同点の場面で代打の狩野、1番・北條がともに凡退した。

 2点を追う6回には上本の左翼線二塁打と福留の死球で1死一、二塁と再び攻め立てた。打順は前の打席で本塁打を放っているゴメス。最低でも1点の好機。しかし…。ジキルとハイドのごとくG砲は別人となった。カウント2ボールから、目を覆いたくなるようなボテボテの一ゴロ。「いいボールが来て残念だけど打てなかった」。悪夢の併殺打で、試合の流れを明け渡した。

 指揮官は前日1日、甲子園で勝つキーポイントとして「本塁打」を挙げた。そして、2本の本塁打が飛び出した。だが、勝てなかった。今季の甲子園での複数本塁打は3試合目で初黒星。勝っておかなければ、いけない試合だった。 (惟任 貴信)

 ≪3日敗れれば自力CS消滅≫阪神は今季初の6連敗。昨年4月4日~11日にかけて喫したシーズン最長6連敗に並んだ。チームは3日もDeNAに敗れれば、自力でのCS進出の可能性が消滅する。これは阪神が残り試合全勝しても自力で広島、巨人、DeNAの3チームの最終勝率を上回れなくなるため。

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