長谷川滋利氏 古巣オリックスフロント入りへ 外国人補強アドバイザー役に

[ 2016年9月3日 06:15 ]

8月2日、福良監督(左)と談笑する長谷川氏

 日米通算102勝を挙げた長谷川滋利氏(48)が古巣オリックスにフロントとしての復帰が決定的になったことが2日、分かった。複数の球団関係者が認めた。交渉は最終段階に入っており、本人も受諾に前向きな姿勢を見せているもよう。米国在住でメジャーにも精通していることから特に外国人補強でアドバイザー役を担う方針で、今季終了後に正式発表される見込み。低迷打破に向けた改革第1弾となりそうだ。

 95、96年のリーグ優勝に貢献した長谷川氏が、古巣オリックスに帰ってくる。球団関係者によると、水面下で続けてきた球団との話し合いは既に詰めの段階を迎えており、フロント入りは決定的。シーズン終了後にも発表できる見通しという。

 長谷川氏は90年ドラフト1位でオリックスに入団。91年には12勝を挙げて新人王を獲得し、在籍6年間で57勝をマークした。97年にメジャーに移籍すると、エンゼルス、マリナーズで中継ぎとして活躍し、03年にはオールスターにも出場した。05年の引退後は指導者の道は選ばず、米国では地元の少年野球チームのコーチをしたり、実業家としても活躍。その一方でオリックスの試合にも度々激励に訪れ、今年も8月2~4日の楽天戦(コボスタ宮城)を現地で視察していた。

 球団内では「非常に頭が切れる人」との評価が高い。これまでも私的にはさまざまな意見交換をしてきたが、球団内の公的な立場で動くことは今回が初めてになる。古巣の低迷打破に一肌脱ぐことを決めたもようだ。

 現状では編成部のアドバイザー的な役職が有力。今春にはかつてプレーしたエンゼルスで臨時コーチを務めるなど、メジャーにも幅広い人脈を持っている。基本的には米国在住のまま、外国人選手獲得の際の調査を担当する部署で尽力することになりそうだ。現在、1軍にいる外国人選手は先発のディクソンのみ。今季も総勢7人の助っ人をそろえながら機能したとは言い難いだけに、日本野球に適した人材発掘へ長谷川氏の眼力に寄せる期待は大きい。

 長谷川氏は、来季の続投が決まった福良監督、田口2軍監督とは現役時代に共に戦った間柄。フロントと現場の間の風通しも良くなることは  間違いなく、最適な人材だ。タイミングが合えば、編成会議などに参加する可能性もある。今季で20年連続のV逸が決まり、再建へ向けた最初の一手になる。

 ◆長谷川 滋利(はせがわ・しげとし)1968年(昭43)8月1日、兵庫県出身の48歳。東洋大姫路から立命大を経て90年ドラフト1位でオリックス入団。91年12勝で新人王に輝く。97年にエンゼルスへ移籍。02年からはマリナーズでプレーし、03年には球宴にも出場した。05年に現役引退。右投げ右打ち。

 ≪元日本人メジャーリーガーのフロント業務≫

 ☆GM特別アドバイザー 元ヤンキースの松井秀喜氏は古巣ヤ軍の同職に15年3月に就任。シーズン中に傘下マイナーを巡回し、試合ではベンチにも入って打撃指導を行う。

 ☆GM補佐 元タイガースの木田優夫氏はルートインBCリーグ石川でGM兼投手だった14年シーズン終了後に現役引退。同年に古巣・日本ハムの編成部門No・2となる同職に就任した。

 ☆アドバイザー 元ドジャースの野茂英雄氏は、16年2月にパドレスの同職に就任。育成と編成部門、環太平洋地域での球団の事業展開に携わる。

 ☆編成部付インターンシップ 元ドジャースの斎藤隆氏は昨季限りで現役引退し、パドレスに1年間のフロント留学。昨年12月のウインターミーティングや、チームの編成会議などにも参加し、球団経営や編成業務を学んでいる。

続きを表示

この記事のフォト

2016年9月3日のニュース