巨人・村田 執念V打「ここで還さないと、福岡で生まれた意味がない」

[ 2016年4月18日 05:30 ]

<巨・広>8回1死三塁、勝ち越し適時打を放つ村田。立岡(左)らベンチも大喜び

セ・リーグ 巨人2―1広島

(4月17日 東京D)
 「九州男児」と紹介されると、大歓声を浴びた。巨人・村田がお立ち台に立つ。地震で生活が一変した九州の被災者へ思いをはせた。

 「ここで還さないと、福岡で生まれた意味がないと思って打った。元気に僕らがプレーすることで、勇気を与えることができれば幸いです」

 同点の8回1死三塁で初球を中前に運んだ。決勝打。右の拳を握りながら一塁へ走った。前日は試合後、両親に電話をかけた。自身は福岡出身だが、父方の実家が熊本市東区沼山津。片付けの手伝いに出向いていた両親から家が半壊した親戚が車で寝泊まりを続けていると聞いた。「大変な状況ですし、そういう人たちのためにも」と思いを強くして試合に臨んだ。

 グラウンドでは「やることをしっかりやって試合に臨むだけ」と集中して、試合前にはルーティンの「置きティー」に取り組んだ。通常は腰の高さに置くボールを膝元まで下げて打つ。低めの球にも「体が泳がされないように」と続けている練習。決勝打も低めの外角球に食らいついた。

 前日は1号ソロを放ち、ここ5試合は打率・450と好調を維持。高橋監督は「一振りで結果を出してくれた。ベテランが勝負どころで頼もしい」と称えた。チームは2戦連続1点差で勝ちきり、首位をキープ。今季1点差ゲームは4勝1敗と接戦をものにしている。

 村田は試合前、坂本らと14選手で募金活動を行い、列に並んだファンに感謝を伝えた。親戚が駆けつける予定だった19日の熊本での中日戦は中止になった。「残念ですが、これからも元気な姿を見せるしかない。全力でグラウンドを駆け巡るので、被災された方も復旧に臨んでもらいたい」。その思いはきっと届いている。 (神田 佑)

 ≪1点差4勝1敗≫巨人が2―1で勝利。これで、今季の1点差試合は4勝1敗の勝率・800で、中日と並ぶリーグ最高勝率になった。また、日曜日は開幕から4連勝。そのうち3度が1点差勝利だ。この日は8回に村田がスコア1―1から決勝打。前日16日にも3回に勝ち越しソロを放ったが、今季の打撃成績を点差別に出すと
打  安[本]点 打率 
同 点24  8(1)4・333
その他52 14 ― 1・269
 と同点の場面で見違える高打率を残している。

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