球児、開幕ローテ内定!緩急自在で2回0封 金本監督ゴーサイン

[ 2016年2月28日 05:30 ]

<阪神・サムスン>サムスン打線を2回無安打無視失点に抑えた藤川

練習試合 阪神2―0韓国・サムスン

(2月27日 宜野座)
 阪神・藤川球児投手(35)が27日、韓国王者・サムスンとの練習試合に先発、MAX144キロの直球を軸に、先発仕様のカーブを有効に使う投球で2回を無安打無失点と好投した。順調な調整を確認した金本知憲監督(47)は「(先発6人の中に)入ってくるんじゃないの」と、メッセンジャー、藤浪、岩田、能見の4本柱に続く5人目の開幕ローテーション入りにゴーサインを出した。次戦は3月6日の巨人とのオープン戦(甲子園)で登板する見込みだ。

 真っさらなマウンドに上がった藤川が先発仕様の新スタイルを見せつけた。

 「先発としてのこだわりはないですけど、いつ、どの場面で出てもチームの思う仕事ができるように。たとえ失敗しても、大きく失敗しないように平均点を高くしたい」

 初回は直球主体で1四球のみの無失点。2回に進化が感じられたシーンがあった。内角直球で2者連続で中飛に仕留めた後、最後の打者をフルカウントからの外角低め116キロカーブで空振り三振に斬った場面だ。

 1点もやれない緊迫した場面で登板することが多かった守護神時代は、浮き上がるような“火の玉ストレート”とフォークが主体の力の投球。だが、長いイニングを投げる先発ではカーブなどの変化球も駆使した投球が求められる。この日は2回で38球と球数はやや多かったが、カーブのほかにも130キロ前後のスライダーを効果的に使った。直球の最速が144キロで、最も遅いカーブが108キロ。緩急を手に入れた藤川に金本監督も合格点を与えた。

 「いいんじゃない、真っすぐも。結構ファウルを打たれて粘られていたけど。後は長いイニングを投げられるかどうかじゃない?(開幕先発ローテ6人の中には)入ってくるんじゃないかな」

 ここまで「鍛えるキャンプ」を送ってきただけに蓄積疲労で肉体は悲鳴をあげていたが、結果は残した。「真っすぐは少しバランスが悪かったですが、ある程度は確認できた。直球の軌道を知りたかった」。三振以外のアウトは外野フライで、初回の4番打者に3球、2回の2人目には5球、直球をファウルされた。直球の出来についての自己採点は「60点」と厳しめながら、「ゴロで打ち取るピッチャーじゃないんでね。粘られてもない。力も入れていないので」と自信も見せた。

 この日も登板前は14日の紅白戦と同じ独自の調整で臨んだ。午前中は球を握らず、試合開始30分前にブルペンへ。試合後はサブグラウンドでノックを受けるなど下半身強化に励んだ。

 「イニングを投げるのは問題ない。もう少し下半身を使って、バッターに対してボールを押し込むような投球をやっていきたい。そこもできれば、コンビネーションもできる」

 次の登板は3月6日の巨人とのオープン戦となる見込み。4年ぶりに帰ってきた甲子園で、虎党の大声援後押しを受けてのG斬り予行演習。球児が、もう一段階、ギアを上げる。(湯澤 涼)

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2016年2月28日のニュース