楽天 オリ金子にノムさん背番!獲得へ誠意の“欠番”19用意

[ 2014年12月5日 06:00 ]

オリックスから国内FA宣言した金子

 楽天が、オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した金子千尋投手(31)に背番号「19」を用意していることが4日、分かった。「19」は2006~09年に指揮を執った野村克也元監督(79)が背負い、同監督が退任した10年以降も「欠番」となっていた。楽天は条件面でも3年以上の複数年契約を用意する 方針で、同投手が入団時から背負う愛着ある「19」を提示することで最大限の誠意を尽くす。

 背番号「19」がついに6年ぶりに“解禁”される。この日、仙台市内の球団事務所で安部井寛チーム統括本部長(40)は獲得に動いている金子について「常に代理人とはメールなどで連絡できる状態」と、近日中にも条件提示する可能性を示唆。その際は、金子がオリックス入団から10年間背負い続けている「19」も提示する方針だ。

 楽天にとって「19」は06年から4年間にわたって野村克也元監督が背負った特別な番号。球団創設5年目の09年にはリーグ2位となり、初のクライマックスシリーズ(CS)進出。その功績を称える意味もあり、同監督が退任した10年以降も「欠番」となっていた。12年限りで野村氏が名誉監督のポストからも退いたが、「19」は同監督のイメージが強いと同時に、その番号にふさわしい選手も見当たらなかったことから空き番となっていた。

 金子は今オフにポスティング・システムを利用しての大リーグ挑戦こそ断念したが、国内FA権を行使している。現時点ではオリックス残留が有力視されるが、金子自身は「考え中」とし、国内球団のすべてのオファーが出そろってから熟考に入る。オリックスは3年総額15億円以上という大型契約を用意して慰留に努めている中、楽天も双璧の好条件を用意するとともに、「19」を提示することで獲得に向けた熱意を伝え、情勢の逆転を狙う。

 昨季に初のリーグ優勝、日本一を達成した楽天だが、今季は最下位に低迷。24勝無敗だった絶対エースの田中がヤンキースに移籍した穴を埋められなかったことが最大要因だった。14勝を挙げた2年目の則本以外に計算できる先発投手は不在で、金子の獲得を目指すのは3年後、5年後ではなく来季に日本一を奪回するため。大久保監督も「星野(前)監督のバッテリーを中心とした守りの野球を継承し、常勝軍団をつくることが自分の使命」としている。

 現役時代は歴代2位の657本塁打、監督としても通算1565勝を誇った「ノムさん」番号。来季に金子が背負うことになれば、チーム再建への視界が一気に開ける。

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2014年12月5日のニュース