松坂 王会長からエール“怪物力取り戻せ”5日ソフト入団会見

[ 2014年12月5日 05:30 ]

ソフトバンク入団会見を行う松坂

 松坂よ、もう一花咲かせてくれ――。ソフトバンクは4日、メッツからフリーエージェント(FA)となった松坂大輔投手(34)の獲得を発表した。3年契約で年俸の総額12億円プラス出来高払い。背番号は18に決まった。日米通算164勝右腕の9年ぶりの日本球界復帰を受け、王貞治球団会長(72)はメジャーで味わった悔しさを日本球界で爆発させる活躍を期待した。松坂は5日に福岡市内のホテルで入団記者会見を行う。 

 王会長はこの日、個人後援会「王讃会」主催のゴルフと懇親パーティーに出席した。ゴルフでは寒波に加え、時折、強い雨も降る最悪の天候だった。ラウンドを終えた王会長は、あまりの寒さに身を縮める。ただ新たに加わったあの男の話になると、その表情、声色は一気に熱を帯びた。

 「彼のピッチングを見てきて、松中との対決だったりとか、いろいろ思い出もある。向こうでは完全燃焼できなかっただろうから、日本でもう一花咲かせてほしい」

 日本球界では8年で108勝を挙げた「平成の怪物」だが、メジャー挑戦後は右肘の手術などもあり、同じ8年間で56勝にとどまった。ただ、王会長のまぶたの裏に焼き付くのは、28敗(15勝)を喫した「天敵」だった男の姿だ。15連勝中だった05年7月9日の西武戦(インボイス)では、5安打14奪三振の完封で快進撃を止められるなど何度も辛酸をなめた。逆に6日後の同年7月15日には、前年に3冠王を獲った松中が松坂にサヨナラ弾を含む伝説の1試合3発を浴びせた。幾多の激闘を繰り広げてきたからこそ、送れるエールだ。

 期待しているのは先発ローテーションの活躍だけではない。福岡市内のホテルに場所を移した懇親パーティーでは「若い選手にはもの凄く、いいお手本になると思います」と投手陣のリーダーとしての役割も期待した。06年WBCでは王ジャパンの主力に指名し、第1回大会の世界一をつかんだ。選手としての力だけではなく、その存在がチームに与える多大な影響も感じ取っていた。

 王讃会のメンバーを前に王会長はこう、締めくくった。「2015年のホークスはまた、違った形で楽しんでもらえると思います」。3年ぶりの日本一になった今季を基盤とし、新たな「松坂」というスパイスが加わる。その期待に高揚する心を抑えきれない様子だ。3日に帰国した松坂はこの日夜、福岡入り。5日には背番号18のユニホームに袖を通し、ホークスの松坂としての第一声を発する。 

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