一岡「カワイイ」からの卒業誓う「カープ女子」声援はうれしいけど…

[ 2014年12月1日 07:50 ]

来季の1軍フル稼働を誓った広島・一岡

 広島・一岡竜司投手(23)が「カワイイ」からの卒業を誓った。30日に広島市内のウインズ広島で開催された「ドリームフェスタ2014」に出演。多数の女性ファンから注がれた「カワイイ」の声援に困惑の反応を示した。6月以降に2度も戦列離脱した今季を踏まえて来季は1年間フル稼働を宣言。カープ女子からも“頼られる男”を目指す決意だ。

 一岡は思わず本音を漏らした。「言っていただけるのはありがたいことですけど、“カワイイ”はあまりうれしくないです。“面白い”はうれしいですけど…」。先輩の木村との軽快な話術で盛り上げた会場から「カワイイ」の歓声が注がれた時の反応だった。

 声の主は多数集まった女性ファン。いやし系の外見が愛くるしい動物のカピバラに似ていることから今村、大瀬良とともに「カピバラ3兄弟」として以前からファンの間では話題で、特に“カープ女子”からの人気が高い若手選手の1人だ。

 ファンの声援や歓声から力を得られる一方で出身は福岡県。先ごろ亡くなった名優の高倉健と同郷という事実には「健さんは偉大過ぎて…。そこは違う路線で…」と恐縮しつつも、九州男児として「カワイイ」には複雑な感情が芽生えた。定着しつつあるキャラを“卒業”する術はカープ女子を筆頭とするファンに頼もしい勇姿を見せつけることだ。

 「今年は2回も離脱してしまった。来年1年間を投げ抜くことができれば、ケガをした悔しさや今年31試合に投げさせてもらった経験が生きたということになる。1年間野球をできる体にして、1軍にいること。1試合でも多く投げる姿をファンの人に見せたい」

 昨オフに巨人へ移籍した大竹の人的補償として加入。開幕からセットアッパー役を担い、防御率0・58。31試合で自責点はわずか2点だった。ブルペンでの存在感が大きかったからこそ右肩痛による不在期間はチーム全体を失速させる遠因にもなった。「自分ががんばれば、チームも上がっていける。前半戦のような形で1年間いられるようにしたい」。フル回転の決意は強い。

 8月に2度目の戦列離脱となった以降は意識が変わった。「それまでウエートトレを大切にしていなかった。むしろムキムキにならないように、と。でも、鍛えるというよりもケガ防止という意味で大事だと感じた。ずっと引き続き、やってきた」。年明け1月には昨年同様に巨人・杉内との合同自主トレを予定し、「肩の筋肉の強化をしたい」と意欲を示した。黄色い声援が「カワイイ」から「カッコイイ」へ変われば、広島のブルペンはより強固になる。

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2014年12月1日のニュース