V率93%!阿部タイムリー2本 打率最下位も復調手応え

[ 2014年6月29日 05:30 ]

<ヤ・巨>4回1死満塁、右前適時打を放つ阿部

セ・リーグ 巨人9―0ヤクルト

(6月28日 秋田)
 巨人は28日、打線が爆発し9―0でヤクルトに大勝。リーグ戦再開初戦を白星で飾り、リーグ40勝一番乗りを果たした。初回に不調だった阿部慎之助捕手(35)、長野久義外野手(29)の連続適時打で2点を先制、その後も秋田での球団第1号となる長野の5号2ランなどで加点した。巨人の貯金は今季最多タイの12で、2位・広島とのゲーム差を3に広げた。

 阿部に迷いはなかった。リーグ戦再開、最初の打席。その初球。ストライクゾーンに来た直球を振り抜いた。初回2死一、二塁でナーブソンの138キロの直球を捉えると、右翼手の頭上を越える先制の適時打。9―0大勝を呼び込む一打に「初球から振る準備ができていた。1打席目に打つことができて気分がいいね」と目を細めた。

 7―0の4回1死満塁ではダメ押しの右前適時打も放った。「思い切り振れるようになってきたし、良い凡打が増えてきた。これを継続できるようにしていきたい」。2安打2打点で打線の中心に座った。

 前日に発表された球宴ファン投票ではチームからただ一人、選出された。だが、試合前の時点で打率は・233でセ・リーグの規定打席到達者では最下位。「凄いふがいない成績。球宴までに恥ずかしくない成績に戻せれば良い」と巻き返しを誓っていた。

 阿部と同じく不振だった長野も快音を響かせた。3―0の3回2死一塁。初球を振り抜き、右翼ポール際に飛び込む5号2ラン。東北6県で唯一出ていなかった秋田で6試合目にして球団第1号を放ち「良い風にも乗って久しぶりにきれいに打つことができた。秋田のジャイアンツファンの声援が後押ししてくれた」と声を弾ませた。

 この地で、ふがいない試合をするわけにいかなかった。秋田出身で、08年から巨人の運営部1軍監督付として原監督のマネジャー的役割を担っていた故水沢薫氏が今年1月に48歳で死去。温厚で誠実な人柄から指揮官だけでなくチーム内の信頼も絶大だった。練習前には水沢氏の遺族が原監督のもとを訪れ、つかの間の時間を過ごした。チームとして天国で見守る水沢氏に白星を届けた。

 不調だった阿部、長野が合わせて6打点の活躍。原監督は「効果的に点を取れた。交流戦明けで新たな良いスタートが切れた」と語り、阿部も「リーグ戦再開で良い緊張感があったので、こういう結果に結びついた」と収穫を口にした。広島とは3ゲーム差。独走ムードが漂ってきた。

 ≪V確率93%≫阿部(巨)が初回の先制打を含む2安打2打点。阿部は交流戦明けの初戦では昨季2本塁打するなど、通算打率・543(35打数19安打)、6本塁打、12打点(勝利打点3)とよく打っている。また、巨人は3年連続でセ・リーグ40勝一番乗り。2リーグ制以降、巨人が68試合以下で40勝に到達したのは28度目。過去27度のうち優勝が25度あり、V確率は93%になる。

 ≪東北制覇≫巨人は長野とアンダーソンが本塁打。秋田県内の公式戦はチームとしては通算で6試合目だが、本塁打は初めてで、これで東北全6県で本塁打をマークしたことになる。47都道府県のうち、巨人が本塁打を打っていないのは長崎(過去公式戦4試合)、佐賀(1試合)と奈良、鳥取、沖縄(未開催)の残り5県となった。

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