イチ 岩隈に脱帽…元同僚対決に完敗「バカでは打てない」

[ 2014年6月12日 05:30 ]

ヤンキース戦の7回、イチロー(右)を二ゴロに打ち取るマリナーズ・岩隈

ア・リーグ ヤンキース3―2マリナーズ

(6月10日 シアトル)
 ヤンキースのイチロー外野手(40)が10日(日本時間11日)、マリナーズ戦に「8番・右翼」で先発出場。岩隈久志投手(33)との元同僚対決は3打数無安打に終わった。これで通算対戦成績は11打数1安打の打率・091。「バカでは打てない投手」と独特の言い回しで、最大級の賛辞を贈った。その岩隈は今季最多の108球を投げて7回1/3を3失点と好投したが、打線の援護なく3敗目(4勝)を喫した。

 日米通算4053本の安打を積み重ねてきたイチローも、岩隈を前にすると、なぜか「借りてきた猫」になってしまう。3打席、またも完璧に封じ込まれた。

 イチロー バカでは打てないピッチャー。きょう僕打ってないからバカになっちゃうんですが…。(彼は)自分のちゃんとした形は確実に持っている。どの球でも確実にストライクが取れるしね。

 半ば自嘲気味に振り返るしかなかった。第1打席は2ストライクから膝元に厳しい内角の直球で体をのけぞらせられた後、外角のツーシームを打たされ左飛。5回の第2打席は外から入ってきた初球のカーブに反応したが、再び左飛に倒れた。7回の第3打席はツーシームに詰まらされて二ゴロ。これも直前の内角への直球が効いていた。

 岩隈 イチローさんを出すと点に絡んでくるので、厳しく攻めながら勝負できたのは良かった。

 初回、ヤンキース打線は外角を見極め、甘く入った球を中堅方向にはじき返してきた。2死一塁から3連打を浴び、いきなり2失点。だが、2回から配球を一変させた。両打ちを含め左打者が8人並んだ打線に対し、内へ速球やスプリットを投げ込んで意識させた。相手が早打ちになった2巡目以降は凡打の山を築く。かつての同僚イチローにも体すれすれの速球で厳しく攻めた。内、外角への絶妙な出し入れ。それも顔色ひとつ変えず投げ込んだ。

 イチロー (気持ちの)内側が見えづらいピッチャー、でもそれが彼のスタイル。そうやってイライラさせる、ちょっとずつ(打者の狙い球を)外すピッチャーではある。

 岩隈 球が低めに真っすぐ伸びているし、球速も出ていた。

 これでイチローの対岩隈の通算成績は11打数1安打。メジャーで10打席以上対戦した投手の中で打率・100未満に抑えられているのは、岩隈を含めわずか7人しかいない。まさに「七不思議」だ。

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