セペダ マエケン粉砕来日1号 G戦980日ぶり黒星つけた

[ 2014年5月18日 05:30 ]

<巨・広>3回2死一塁、前田健から右中間に来日1号を放つセペダ

セ・リーグ 巨人5-1広島

(5月17日 東京D)
 新4番がマエケンを粉砕した。巨人新加入のキューバ出身フレデリク・セペダ外野手(34)が17日、広島戦の3回に前田健太投手(26)から来日初本塁打となる右中間2ランを放った。連敗を5で止める勝利に貢献し、チームは11年9月10日以来、980日ぶりに前田健に土をつけた。先発した菅野智之投手(24)は7回を3安打1失点。前田健との今季初の投げ合いを制し、リーグ単独トップの7勝目を挙げた。

 セペダにとっては全てが初体験。東京ドームでのヒーローインタビューもオープンカーに乗っての観客席へのボール投げも、だ。「キューバではこんなことはない。非常に満足しているし、ファンと一体になれたよ」と顔を真っ赤に上気させてベンチ裏に引き揚げた。

 来日からわずか6日。3試合、10打席目で飛び出した来日初アーチは1点リードの3回2死一塁だった。3ボールから前田健の真ん中高めの147キロ直球を背中にバットが当たるほどのフルスイング。打球はラインドライブがかかりながら右中間最深部に飛び込んだ。

 2つの工夫があった。1つは右足の位置を1/4足分開き、内角球を見やすくした。前日の試合から広島バッテリーは執拗(しつよう)な内角攻め。この日も前田健は、本塁打を放つ前までの7球中6球が内角だった。「自分も初めてだし、向こうも初めて。練習中から内角は意識していたよ」と語る。前田健らWBC日本代表の映像は巨人移籍が決まってからキューバで見てきた。ただ「ビデオと実際、打席で見たものは違う。試合の中で修正する」との対応力が数センチにあった。

 2つ目はバット。移籍初戦、15日のヤクルト戦(東京ドーム)で使った900グラムのバットに戻した。前日は910グラムの重いバットで試合に臨み、この日の試合前練習では阿部モデルのバットを使用。試行錯誤を重ねる中、軽量バットに戻したのは、前田健の球威に負けないためだ。さらに「時差ボケがあったが回復している」と話す自身の状態上昇が融合して生んだアーチだった。

 準備とアフターケアも入念だ。ウエートトレーニングに続き、ストレッチ、アイシング。風呂には30分以上をかける。試合終了から約2時間後、選手で一番最後に球場を後にした。食事は試合前には少ししか手をつけない。「動きが鈍る」とのプロ意識はブレない。

 連敗は5で止まった。原監督は「反省、対策、悔しさ、きょうの感動をしっかり持つことが大事。一つ言えることは勝負に悲そう感はいらない。どんな状況であっても」と言った。重たい空気は消えた。1号の記念球を大事に袋に入れた第80代4番がチームに活気を取り戻させた。

 ▼巨人・橋上打撃コーチ(セペダについて)マエケンのことはWBC前からDVDを見て印象に残っていたみたい。キューバの打者は軸がブレないから軸回転で打てる。頭も動かないから選球眼がいい。

 ≪セペダにチーム34年ぶりの期待≫セペダ(巨)がデビュー3試合目、10打席目に来日初アーチ。今季の巨人は新外国人のアンダーソンが3月28日阪神戦の4打席目に1号ソロ。巨人で来日1年目の外国人選手2人が10打席目までに本塁打したのは88年ガリクソン(6打席目=投手)、呂明賜(ルー・ミンスー)(初打席)以来26年ぶりだ。この日は左腕のフィリップス(広)との対戦で初めて右打席に立ち、遊ゴロ。巨人で左右両打席本塁打は80年にホワイトが1度記録しているだけ。セペダにチーム34年ぶりの期待がかかる。

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