「万年2軍選手」岩舘 スカウトへ転身「俺は野球を見ることが好き」

[ 2013年12月11日 06:24 ]

 10月6日。最終戦セレモニーが行われた札幌ドームで、岩舘が宙を舞った。10年間のプロ生活で1軍出場は91試合。自身を「万年2軍選手」と称する男は、チームメートに胴上げされ「あの瞬間が一番幸せだった。僕くらいの成績の選手で、幸せに辞めていく人はあまりいないと思う」と号泣した。

 プロ生活を始めた巨人では6年間で3度のリーグ優勝を経験。しかし2軍生活が長く、監督を胴上げしたことも、ビールかけをしたことも、優勝旅行に参加したこともなかった。

 日本ハム移籍3年目の昨年、開幕2戦目の西武戦(札幌ドーム)で9回に代打で同点打を放ちサヨナラ勝ちにつなげた。勢いに乗ったチームはリーグ制覇。「達成感があった」と初めて喜びに浸った。

 プレーをする機会が少なくても、勉強を怠らなかった。「試合に出ていれば自分のことでいっぱいいっぱい。ベンチにいたからいろいろな選手の動きを見てきた。その自信は多少あるかな」と胸を張る。

 そしてプロスカウトへの転身。「野球というベースは変わらないし、俺は野球を見ることが好き。自分の目標への勉強にもなると思う」。見据えるのは指導者としての将来。サブプレーヤーだったからこそ養った観察眼で、第一歩を踏み出す。 

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2013年12月11日のニュース