マエケン 来オフにもメジャー移籍へ 3年前から球団と話し合い

[ 2013年12月11日 05:30 ]

前田健はカメラマンから長女出産祝いのおむつケーキとおもちゃをもらい笑顔

 広島の前田健太投手(25)が、早ければ来オフに大リーグ移籍することになった。同投手は10日にマツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、ポスティング・システム(入札制度)での将来的な大リーグ挑戦希望を球団に伝えた。

 「昔から憧れていた。野球人生は1回しかない。絶対に後悔したくない」

 海外フリーエージェント(FA)権を取得するのは早くても4年後の2017年シーズン中。しかし、水面下で3年前からメジャー挑戦について球団と話し合いを重ねてきたという。そして、11年オフに尊敬するダルビッシュがレンジャーズに移籍。「ダルさんが(メジャーに)行って、自分も気持ちが強くなり、目標としてはっきりした」と胸中を吐露した。移籍時期については明言を避けたが、「自分がいい状態の時に行きたいと思っている。あの時に…という後悔はしたくない」と、早ければ来オフを念頭に置いていることは間違いない。エースの挑戦に、球団も一定の理解を示した。広島・松田元オーナーは「夢は理解する。みんなが頑張ってと送り出す機運が盛り上がれば考えないこともない」と話した。

 この日の契約更改交渉では1年契約、年俸は7000万円増の2億8000万円でサインした。07年の黒田博樹(ヤンキース)を上回る広島史上最高額。前田健は「球団のものを全て塗り替えていければ」と笑顔だったが、球団の3分の1以上の株式を保有する筆頭株主のマツダが「親会社」としての球団への積極関与はせず、資金が潤沢ではない広島球団。前田健の年俸は負担になりかねず、上限2000万ドル(約20億6000万円)の入札金は魅力的だ。事実、鈴木清明球団本部長は「捉え方は球団によって違う。ウチにとっては大きい、とは(前田健に)言った」と明かした。

 楽天・田中とともに両リーグのNo・1投手が、海を渡ろうとしている。

 ◆前田 健太(まえだ・けんた)1988年(昭63)4月11日、大阪府生まれの25歳。PL学園では1年夏、3年春に甲子園に出場。06年高校生ドラフト1巡目で広島入団。10年に投手3冠で沢村賞、11年には最多奪三振を獲得。12年4月6日のDeNA戦(横浜)で史上74人目のノーヒットノーラン達成。同年は球団史上最高の防御率1・53で、自身2度目の最優秀防御率。今季は第3回WBC侍ジャパン代表に選出された。1メートル82、73キロ。右投げ右打ち。

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