ジョーンズ “チーム第一”の四球 日米通じ初のサイクル安打目前も

[ 2013年9月23日 06:00 ]

<日・楽>7回、適時二塁打を放ったジョーンズ(右から2人目)は日米通算400二塁打を達成し、チームメートの祝福を受ける

パ・リーグ 楽天15-1日本ハム

(9月22日 札幌D)
 スコアは14―1の大量リード。9回無死二塁、楽天・ジョーンズはフルカウントから低めのカーブを見逃し、リーグトップ99個目の四球を選んだ。三塁打が出れば、日米通じて初のサイクル安打。打席に向かう前には首脳陣に「右中間、左中間を抜けたら三塁を狙うけどいいか?」と願い出て了承された。強引に打ちにいってもいい場面で、しっかりとボールを見極めた。

 「きょうは先制、中押し、ダメ押し点が取れた。みんなが仕事をしてもぎ取った勝利だと思う」。2回に中前適時打を放つと、5回は左越え25号ソロ。7回は左中間に2点二塁打を放ち、日米通算400二塁打を達成した。計4打点を稼いだ。

 初のリーグ優勝へマジックを1つ減らして5とすると同時に、09年以来のCS進出が決定。躍進の一因は、チームを第一に考える4番の存在だ。

 8月28日のオリックス戦(京セラドーム)から20試合連続出塁中で、9月の出塁率は驚異の・507。シーズン終盤で離脱した「弟」の分まで全力を尽くす。沖縄・久米島キャンプ2日目の2月2日。「ハッピバースデー、オ~レ~!」。23歳の誕生日だった島内がナインの前で歌わされた。周囲は爆笑。ジョーンズはハートの強さに共感し「俺のことを兄弟だと思ってくれ」と手を差し出した。打撃やトレーニングでは助言を送り、2人だけのグータッチも行っていた。その弟分が今月中旬に左肩関節唇を損傷し、全治6~8週間でポストシーズンの出場は微妙。「キャンプから多くの時間を過ごしてきた大切な仲間」と島内の思いも背負って打席に立つ。

 チームは09年に並ぶ球団最多の77勝目。自身の背番号と同じ勝ち星を積み上げた星野監督は17安打15得点の大勝に「もう誰が打ったのか覚えてないよ」と苦笑し、「CS進出が決まった」と振られると「何をレベルが低いことを言ってるんだ」と真顔で言った。確かな手応え。歓喜の瞬間は刻一刻と近づいている。

 ▼楽天・辛島(7回6安打1失点で3勝目)調子自体はあまり良くなかった。丁寧に低めに投げた。三振の数は気にしていなかった。

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