勝率・893!山口→マシソン→西村 粋な9回一人一殺継投

[ 2013年9月23日 06:00 ]

<巨・広>西村(左)にビールをかける菅野

セ・リーグ 巨人2-1広島

(9月22日 東京D)
 たった一人を抑えるために、9回2死から巨人・西村はマウンドに上がった。最後は高めの直球で松山を空振り三振。両手を上げて阿部に抱きつこうとした瞬間、ナインにもみくちゃにされた。

 西村 山口さんとマシソンと、いい形でつないでもらった。三振で終わるとは思っていなかった。何も覚えていない。

 9回は「一人一殺」だった。「今年一番の働きをしてくれた3人を使って優勝を決めたい」という原監督の粋な演出だ。まずは左腕・山口が、キラをスライダーで空振り三振に斬った。

 山口 最高です。(きょうは)投げないかと思ったけど、投げさせていただいたので凄くよかった。

 前人未到の6年連続60試合登板を達成した鉄腕セットアッパーに続いたのが、来日2年目のマシソンだ。この日は昨年のリーグ優勝直後に誕生した長男・レーン君の1歳の誕生日。4番のエルドレッドを左飛に仕留め、2倍の喜びに浸った。

 マシソン 3人が投げる機会を与えてくれたことを感謝している。優勝ができる試合でいい働きができた。

 今季は7、8回を山口とマシソンが状況に応じて受け持ち、9回を西村が締めるのが必勝パターンだった。前半戦のポイントとなった7月2日の阪神戦(甲子園)。3人で7回からの5イニングを無失点に抑えて延長戦を制し、ゲーム差を3・5に広げた。160キロの剛腕・マシソン、変則左腕の山口、変化球を自在に操る西村。タイプの異なる3人がそろって登板した試合は今季25勝3敗6分け、勝率・893を誇る。

 西村は40セーブ目で、08年にクルーンがマークした球団記録の41セーブにあと1と迫った。2年連続胴上げ投手となった守護神は「2人が流れを切ってくれるからマウンドに上がりやすい」と言った。鉄壁の救援トリオの結束は固い。

 ≪史上5人目≫巨人は山口、マシソン、西村が9回を3人で抑えた。マシソンはこれで23試合連続無失点。11年バーネット(ヤ)と並び、セの連続試合無失点の外国人最多タイとなった。また、西村は今季40セーブ目。シーズン40セーブは岩瀬(中=5度)、藤川(神=2度)、98年佐々木(横)、08年クルーン(巨)に次ぎ史上5人目(9度目)。残り11試合でクルーンの球団記録41セーブの更新を狙う。

 ≪勝利で花添えたのは今回が初めて≫巨人は広島戦の途中に2位阪神が敗れ優勝決定。2リーグ制後の巨人で、試合中に優勝が決まったのは67、02年に次いで3度目。過去2度は試合に敗れており、勝利で花を添えたのは今回が初めてとなる。9月22日は日付では90年巨人の9月8日、03年阪神の15日、昨年巨人の21日に次ぎセ史上4番目の早さ。

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