ライアン小川 新人15勝は上原&松坂以来 ハーラートップタイ

[ 2013年9月23日 06:00 ]

<神・ヤ>15勝目を挙げた小川

セ・リーグ ヤクルト7-6阪神

(9月22日 甲子園)
 ベンチで祈るように見つめていたヤクルト・小川が、最後に笑った。7回途中5失点で降板し、1点差で迎えた9回。「信じていた」という同じ新人の石山が3者凡退に打ち取り、前日にハーラートップに立った広島・前田健に15勝で再び並んだ。

 最速148キロの直球は、140キロ前半止まり。それでも「横の(体重移動の)時間が長ければ打者は打ちづらい」と右足にタメをつくって打者の間合いをずらす工夫をこらし、何とか粘った。結果的に巨人の優勝をアシストする勝利となったが「前田さんは巨人を寄せつけない投球だった。ちょっとでも近づきたい」と目標も高い。

 甲子園が改装された08年センバツの開幕試合に登場し、新装甲子園1勝を挙げたのが、愛知・成章のエースだった小川だ。プロでは5月4日の阪神戦で4回6失点で初黒星を喫していたが、2度目の登板で初勝利を挙げ「悪いなりに試合はつくれた」と振り返った。

 今後も中6日で登板予定で残りは2試合。ドラフト制以降、ルーキーの15勝は、99年の巨人・上原(現レッドソックス)、西武・松坂(現メッツ)以来13人目で、過去10人が新人王を獲得している。しかし、小川が目指すのはさらに上のタイトルだ。「(最多勝を)獲りたいという欲は出てくるだろうけど、それを押し殺して普段通りの投球をするだけ」。最後の直線勝負に入った日本のエースとのデッドヒートに必死で食らいついていく。

 ≪14年ぶり13人目≫ルーキーの小川(ヤ)が15勝目。ドラフト制後、新人の15勝以上は99年に上原(巨)20勝、松坂(西)16勝と2人が記録して以来、14年ぶり13人目になる。また最多勝争いでは前田健(広)とトップタイで並んだ。2リーグ制後、新人の最多勝は前記上原、松坂まで8人いるが、その年の所属チームの最終順位は優勝1人、2位5人、3位2人。チームが最下位、あるいはBクラスで獲得すると初のケースになる。

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2013年9月23日のニュース