目の前で敬遠…有田工・仙波 意地の逆転打「今度は絶対に打つ」

[ 2013年8月8日 13:27 ]

<大垣日大・有田工>8回表、逆転の2点二塁打を放ちガッツポーズの有田工・仙波
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第95回全国高校野球選手権大会1回戦 有田工5―4大垣日大

(8月8日 甲子園)
 初出場の有田工(佐賀)が、07年春準優勝の大垣日大(岐阜)を5―4で破り、春夏通じて初の甲子園1勝を挙げた。

 94年佐賀商、07年佐賀北と県勢で優勝した2校はいずれも開幕戦勝利から夏の頂点に駆け上がっており、“吉兆”への第一関門をクリアした植松監督は「ホッとしている」と笑みをこぼした。

 相手先発・高田に5回まで無安打と苦しめられながら、終盤の集中打で逆転。5回を終えた時点で0―3の劣勢だったが、植松監督は選手たちに「佐賀県大会と一緒だ。粘っていけばチャンスはある」と声を掛けていたという。県大会では決勝まで5試合すべてで1点差勝ち。決勝では9回裏2死走者なしから追いつき、延長10回サヨナラ勝ちと粘り強さには定評がある。4回終了時には「3番・遊撃」の藤川(3年)が苦しそうに胸を抑える仕草を見せ、5回の守備につく際には治療のため試合が一時中断。結局、藤川は交代となり、その後「肺気胸」の疑いで病院に運ばれるなどアクシデントもあったが、「突然のことだったが、選手を動揺させないようにと…」とベンチも一体となっての逆転劇だった。

 8回に逆転の中越え二塁打を放った5番の仙波(3年)は、4番・古川(3年)が目の前で敬遠されてからの殊勲打に「県大会でも同じことがあって、その時は打てなかった。今度は絶対に打ってやろうと思った」と意地の一撃だったことを告白。打った瞬間は「抜けろ!という気持ち、それだけでした。投手の古川があまり調子が良くない中で頑張って投げていたので、援護できて良かった」と振り返った。

 2回戦は抽選の結果、常葉菊川(静岡)に決定。「自分たちは守りのチーム。きょうはエラーもあったので、その辺を修正して次も勝ちたい」と甲子園初勝利から2勝目へ、どん欲な姿勢を見せていた。

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