浅村 “回転で打つ”逆方向へ6本目 逆転劇弾は「今季イチです」

[ 2013年8月8日 06:00 ]

<西・日>9回2死一、二塁、サヨナラ3ランを放ちナインの手荒い祝福に笑顔の西武・浅村

パ・リーグ 西武7-6日本ハム

(8月7日 西武D)
 チームの窮地を救うのが4番の仕事だ。逆転サヨナラ20号3ラン。それでも西武・浅村は、興奮で声を弾ませることもない。風格すら漂う。

 「素晴らしかったですね。今季イチです。今季一番しびれた。コースに逆らわず強振することができました」

 2点を追う9回2死一、二塁。守護神・武田久の141キロ外寄り速球にバットを内から押し込むように出した。今季2度目、通算3度目のサヨナラ弾。3度追いつき、4度目は自らのバットで試合をひっくり返した。7回の右前適時打で計4打点を稼ぎ、73打点はリーグトップ。打率・331も3位、20本塁打も3位タイまで上がってきた。

 進化は数字に表れる。昨季まで通算18本塁打中、右方向へのアーチは1本だけ。今季は20本中6本が右だ。「レフトにしか入らなかったものがどこでも入るようになった。手応えはある」。従来のスイング軌道でも腰の回転を意識するようになった。田辺打撃コーチは「回転で打つことを覚えて少しでも長くボールを見られるようになった」と語る。さらに「ゆとり」がキーワードだ。足を上げた時に体が前に流れないように「ゆったりタイミングを取ること」が一つ。そして「打席前にしっかりと整理してドタバタしないように」と気持ちの整理をつける。4番に座ってもそのルーティンは変わらない。

 エース左腕・菊池が離脱した。「勝ち頭がチームを離れるのは絶対にマイナス。でも、チームは勝たないといけない」。負ければ3位転落の危機、そして重苦しい空気も振り払った。

 ▼西武・渡辺監督 本当に浅村の執念を感じた。チームの諦めない気持ちも出ていた。

 ▼西武・涌井(5番手で9回を打者4人で無失点。5月29日以来となる5勝目)まさかサヨナラになると思わなかったけど、いい流れを持っていけた。

 ≪逆転は初めて≫浅村(西)が逆転サヨナラ3ラン。浅村のサヨナラ本塁打は5月31日ヤクルト戦以来今季2本目、通算3本目で逆転は初めて。西武でサヨナラ本塁打をシーズン2本以上は、02年に松井(現楽天)が3本放って以来11年ぶりになる。これで浅村は今季20本塁打中、14本が殊勲本塁打。バレンティン(ヤ)の13本を上回り両リーグ最多になった。

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2013年8月8日のニュース