イチロー2連発!「いやー気持ち良かった」

[ 2012年8月21日 06:00 ]

<ヤンキース・レッドソックス>6回1死、イチローはヤンキースで初の二打席連発となる本塁打を右に放ち、スタンドのカーテンコールにヘルメットを取って応える

ア・リーグ ヤンキース4-1レッドソックス

(8月19日 ニューヨーク)
 ヤンキースのイチロー外野手(38)が19日(日本時間20日)、レッドソックス戦に8番・右翼で先発し4打数3安打2打点。4回と6回に右越え本塁打を放ち、ヤンキースタジアムで初のカーテンコールを受けた。1試合2本塁打は6月2日のホワイトソックス戦以来今季2度目で、ヤ軍では初めて。8回を投げ4安打1失点と快投した黒田博樹投手(37)の12勝目を援護した。

 4万8620人が一丸となって叫んだ。「イ・チ・ロー!」。6回、この日2本塁打目を右翼席に叩き込むと声援が鳴りやまない。ベンチを飛び出したイチローは、ヘルメットを取って一礼をした。ヤ軍移籍後初のカーテンコールに「いやー気持ち良かった」。言葉に実感がこもっていた。

 安打製造機が長距離砲に変身した。4回、高めに浮いた91マイル(約146キロ)ツーシームを右翼席2階に6号ソロ。6回は低めのツーシームを弾丸ライナーで7号ソロ。1試合2発は今季2度目で自身7度目。2回の右飛も含め4打席全て狙ったのかと聞かれると「狙ったのは最後だけですよ」とクールに返した。

 今季前半戦は12年間で過去最低の打率・261。しかし移籍後、特に8月は凡打の質が変わってきた。投球に差し込まれた凡打が消え、バットの当たりどころの誤差によるものに変わってきた。2回の右飛もわずか数ミリのズレ。8月の月間打率は・357と数字が変化を如実に表している。

 熱狂的な地元ファンの応援も原動力となっている。安打を放った後や守備に就く時など、試合中何度も名前を連呼される。ただ、時には予期しない場面もあるだけに「タイミングが分からないところで(コールが)来る。ちょっと対応の仕方が分からない。謎ですね」と苦笑いする。

 この本拠地7連戦は19打数10安打で打率・526。好調を維持し、黒田の12勝目もアシストした。「あれだけ安定してくれたら“点を取らなきゃ”と思う。安定感が凄いもん。淡々と投げているし、素晴らしい」と後輩の快投を称えた。

 7月23日に移籍して約1カ月。そのプレーで、背番号31はすっかり地元ファンの心をつかんでいる。

 ▼レッドソックス・ボビー・バレンタイン監督 彼は本当に特別な選手。今年7本塁打だから長距離打者になったかはよく分からないが、球史に残る指折りの選手だ。

 ▼ヤンキース・ジョー・ジラルディ監督 接戦の展開でどちらも大きなヒットだった。シアトルは球場が広い。何年も昔からこの球場でプレーしていれば(本塁打数が)違う結果になっただろう。

 ≪7度目2発は日本人最多≫イチローの1試合2本塁打は7度目で、松井(前レイズ)の6度を上回って、メジャー日本人選手では最多となった。また、イチローは7度全てが2打席連発で記録している。日本時代にも7度記録しているが、そのうち5度が2打席連続アーチだった。

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2012年8月21日のニュース