15年ぶり新人白星トリオ狙う 江柄子22日先発へ

[ 2012年8月21日 06:00 ]

ブルペンで投球練習をする江柄子

 巨人は22日のヤクルト戦(神宮)の先発にドラフト6位新人の江柄子裕樹投手(25)を抜てきする。神宮でのヤクルト戦は昨年のクライマックス・シリーズで敗れ、今季も3戦全敗と苦戦が続く。すでに高木京、田原と新人2投手が勝ち星を挙げており、新人3投手が勝利すれば巨人では97年の入来祐、三沢、小野以来、15年ぶり2度目の快挙。快進撃を支える新人パワーで、マジック点灯が懸かる鬼門での3連戦に挑む。

 地元で絶好のチャンスが巡ってきた。22日のヤクルト戦に先発予定の江柄子は「もし投げさせてもらえるなら、神宮は雰囲気に慣れている。硬すぎず、軟らかすぎず、投げやすいマウンド」と初先発へ意気込んだ。

 何しろ「実家は神宮から徒歩4、5分のところでした」という地元っ子で、神宮は明大、東芝時代に経験済み。今季は6月2日の交流戦・オリックス戦でプロ初登板するなど、中継ぎ4試合で無失点も右肩痛で同16日に出場選手登録を抹消。その後は2軍で先発に回り、今月は2試合12イニングで3失点と好投したことからチャンスをつかんだ。

 巨人は8月1日の中日戦(東京ドーム)でゴンザレスが負傷離脱後、毎週水曜日の先発をチャレンジ枠として若手に任せてきた。先週までは2年目の小山が2週務めたがKOされ2軍に降格。川口投手総合コーチは「ダメなら交代だから非情だが、そこで気持ちの強さを出してほしい」と話す。

 21日に勝つか引き分けて、中日が敗れれば優勝へのマジックナンバー32が点灯するが、展開次第では江柄子に先発を託す22日に持ち越される可能性もある。抜てきした同コーチは「全体的にまとまっているし、神宮に慣れている。新人の度胸の良さには助けられているから」と最速150キロ右腕に期待を寄せた。「勝ったら新人が3人勝利になるし、何よりチームのために投げたい」と江柄子。全国的に珍しいその名を列島に響かせ、15年ぶり2度目の新人白星トリオそろい踏みを目指す。

 ◆江柄子 裕樹(えがらし・ゆうき)1986年(昭61)11月14日、東京都生まれの25歳。つくば秀英から明大へ進み、4年春にリーグ戦デビューを果たし3勝を挙げ優勝に貢献。東芝では3年連続で都市対抗に出場した。最速150キロの直球にカーブ、スライダー、フォーク、シュートと多彩な球種を操る。11年ドラフト6位で入団。1メートル83、78キロ。右投げ右打ち。

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2012年8月21日のニュース