史上初4月“ダブルMVP”あるぞ!ダル危なげなく4勝目

[ 2012年5月2日 06:00 ]

<ブルージェイズ・レンジャーズ>ブルージェイズ戦に先発し、4勝目を挙げたレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ4-1ブルージェイズ

(4月30日 トロント)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が30日(日本時間5月1日)のブルージェイズ戦で7回4安打1失点の好投。ハーラートップタイの4勝目を挙げた。メジャー5試合目で初めて本塁打を浴びたが、2年連続本塁打王のホセ・バティスタ外野手(31)を3打数無安打に封じるなど9三振を奪った。4月は4勝0敗、防御率2・18で、月間最優秀新人は当確。さらに、4月では史上初となる月間MVPとのダブル受賞の可能性も出てきた。

 ダルビッシュは米国で「7色の変化球を持つ男」と評される。だが、この日は1つの球種を何種類もの変化球に見せた。4勝目を手にした右腕は「スライダーならスライダーだけで緩急をつけられた。それが外角を使えた要因ではないでしょうか」と勝因を分析した。

 象徴的なシーンが3番バティスタとの3打席目、6回1死の対戦だった。全て外角に5球、スライダーとカットボールだけで二ゴロに仕留めた。3球目は縦スラ、4球目のスライダーはスリークオーターから横に大きく曲げた。5球目はカットボール。バティスタは直球のタイミングでバットを出し完全に腰砕けになった。4回は3球三振に倒れるなど3打数無安打の2年連続キングは「基本的に(変化球は)スライダーとカットボールだけだ。この2種類がストライクに来る。ビデオで見た時はもっといろんな球種を投げていたけど…」とため息をついた。

 開幕当初は各球種の制球に苦慮した。それが5試合目の登板で、1つの球種の緩急を自在に操れるようになった。「メジャーリーグの雰囲気に自分がなじんできたというのが一番ではないですか」と語る。投球フォームや球種の修正に苦心することが減り、武器である「打者への洞察力」も鋭さを増してきた。

 4月は4勝0敗、防御率2・18で、月間最優秀新人の受賞は確実。さらに投手部門の月間MVPの有力候補に挙がっており、4月のダブル受賞となれば、史上初めての快挙となる。しかし、本人は至って冷静だ。

 「打者が僕のことを見るのは初めてですし、まだ4月。結果どうこうは気にせず、自分の調整に集中している」。謙虚な言葉の裏には「自分もまだ上がある」との強烈なメッセージに聞こえた。

 ▼レンジャーズ・ワシントン監督 エレクトリック(しびれた)だ。どの球種も安定していた。シーズンを32勝0敗でいくとは思わないけど、毎回試合をつくってくれる。

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2012年5月2日のニュース