宮本猛打賞で2000安打王手!あと1本は持ち越し

[ 2012年5月2日 06:00 ]

<D・ヤ>7回1死、宮本は左前に1999本目の安打を打つ

セ・リーグ ヤクルト7-0DeNA

(5月1日 横浜)
 敵地とは思えない。8回2死。通算2000安打に王手をかけたヤクルト・宮本が第5打席目に立つと、横浜スタジアムは嵐のような大歓声に包まれた。ただ、41歳のベテランの頬は思わず緩んでいた。

 「1本ずつ(球場の)雰囲気が変わっていくのが分かったし、最後はもの凄い歓声でびっくりした。笑うぐらいだった。でも、思ったほど緊張していなかったんですよ。ここで打ってやろうと思った。良い具合に集中してたんですけど…」。

 篠原の初球のスライダーに手を出して右飛。「勝負弱いな…」。球場の興奮がため息に変わる中、直後に森岡と交代し、宮本の長い一日は終わりを告げた。

 「1日で届く数字」。史上40人目の金字塔へあと4本で迎えた一戦。試合前にはDeNAの中畑監督にも「(きょう)4本打つかもしれませんよ」と冗談めかしく言っていた。

 ただ大記録を目指す一方で、先にもう一つの大記録が止まった。3回。1死から山本の三遊間寄りのゴロをグラブに当てながらはじいた。その瞬間、69年の長嶋茂雄(巨人)の214を抜いて更新中だった三塁手の連続守備機会無失策のセ・リーグ記録は257で途切れた。「打ち取った打球をエラーすると投手がリズムを崩す。できるだけ早く点を取らないと」。直後の4回の打席から3打席連続安打を放った。4回の第2打席は、山本のカットボールを引っ張り遊撃手のグラブをはじく渋い当たりで出塁。5回に外角球を右前に運び、7回は再び左へ。3月30日の開幕戦の巨人戦(東京ドーム)以来の1試合3安打。それでも「(失策して)特別な意識というわけではなかった。いつものように」。このブレない精神力が、宮本を支える原動力と言える。

 攻守ともにスポットライトが当たり続けた41歳は「毎試合、その試合にしか来れないお客さんもいるからね。早く決めたい」と最後は本音ものぞかせた。小川監督も「最後、打てれば良かったね。2番とか6番とか、制約がある中で2000本を達成するのは凄い」と、達成を目前に興奮を隠さない。その瞬間は、2日にも訪れる。

 ▼日本ハム・稲葉 3安打していたからメールしておいたよ。プレッシャーをかけておいた(笑い)。

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