元首相2人輩出…31年ぶり高崎 東大志望の主将は「野球と勉強にメリハリ」

[ 2012年1月27日 15:25 ]

選抜高校野球の出場が決まり、喜ぶ高崎の選手たち

 県内屈指の進学校・高崎の卒業生には、福田赳夫氏、中曽根康弘氏と、2人の元首相がいる。金子主将(2年)の志望校は「東大」。早朝や練習後の午後10時まで学校の自習室に残る生徒もいる。「野球と勉強にメリハリをつけています。勉強する時の集中力は野球にもつながると思うので」(金子)。文武両道を貫きながら、昨秋の関東大会で4強入り。21世紀枠の推薦校にも選ばれた。

 センバツ初出場を果たした81年、中堅のレギュラーだったのが境原尚樹監督だ。「今年のチームカラーはあの時と似ている。強いとは思わないが、まとまりがあるし、運も持っている代ですね」と分析する。練習メニューは部員が決める。境原監督は「言われたことだけをこなすと、どうしても受け身になってしまう。ある程度まで力は付いても、その先の壁は破れない。グラウンドで戦うのは選手ですから」とナインを大人扱いしながら、自立させる指導法を取り入れている。

 31年前は秋の関東大会で「タカタカ(高崎高校の愛称)旋風」を巻き起こし、スポーツライターの山際淳司氏の著作「スローカーブを、もう一球」でも取り上げられた。だが、境原監督の中では、決して輝かしい思い出ではなかった。「センバツ出場が決まると大騒ぎで、マスコミからの取材も多くなった。浮足だって冬の過ごし方を間違えた結果が、甲子園で出たと思います。光と影を味わいました」。星稜(石川)に1―11の大敗。夏は県大会で敗れた。

 31年ぶりの切符を前に、チームに浮かれムードはない。目標は「出ること」ではなく「勝つこと」。秀才軍団が、今度こそ甲子園で「タカタカ旋風」を起こす。

続きを表示

2012年1月27日のニュース