実戦2勝目も左打者に8安打…斎藤“対策”急務

[ 2011年4月4日 06:00 ]

慈善試合<日・楽>マウンドで汗をぬぐう斎藤

復興支援試合 日本ハム9―3楽天

(4月3日 札幌D)
 日本ハムの斎藤佑樹投手(22=早大)が3日、東日本大震災の復興支援を目的とした慈善試合の楽天戦に先発。5回3失点で今春の実戦では2勝目を挙げたが、8安打すべてを左打者に浴びるなど、ローテーション投手として課題も浮き彫りになった。デビュー戦となる4・17ロッテ戦先発(札幌ドーム)まで2週間。初登板初勝利へ、まずは左打者封じが急務となる。
【試合結果】

 あっという間にスコアボードに「3」の数字が点灯した。斎藤は3連打を浴び、プレーボールからわずか4球で1点を失う。さらに岩村、草野にも左前へ運ばれた。「真っすぐはプロとして長くやっていくために必要なもの」。自らの信念を貫き生命線の外角直球を続けたが、それを左打者にことごとく痛打された。

 象徴的な場面はメジャー帰りの松井稼に対してだ。初回に初球141キロの外角直球を中前打されながら、2回1死でも3ボール2ストライクから捕手・大野のサインに2度首を振って141キロの直球を外角に投じた。結果は左越え二塁打。この試合、打たれた8安打は全て左打者。3回13安打9失点とメッタ打ちされた21日の阪神戦(札幌ドーム)も13安打中、11本は左だった。「攻め方を考えたいと思う」と神妙な斎藤に、中嶋バッテリーコーチは「左に対して使うボール、使わないボールを見極めることが今の課題」と分析した。

 「使うボール」とは何か。5安打を集中された初回。左打者に13球を投じたが、内角は3球だけ。岩村は外角を狙っていたかのように踏み込み、左方向へはじき返した。大野が「左へのカットボールが有効かもしれない」と明かしたように、今後はいかに内角を見せて打者に外角球を遠く感じさせるかが重要となる。

 ただここで崩れないのが「もってる男」たるゆえんだ。2回、松井稼に二塁打された後は、左の聖沢と鉄平をチェンジアップとスライダーで連続三振。2回までに49球を要したが3~5回は31球と安定し「2回以降抑えられたことは手応えです。変化球を腕を振って投げられた」と話した。

 1軍相手に開幕前ラスト登板で5回3失点。梨田監督は「よく立ち直ってくれた。評価は変わらない」と17日ロッテ戦デビューへ変わらぬ信頼を口にした。次回は10日のイースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)。先発としての地位を不動にするためにも、初回の失点と左打者対策は大きな宿題となる。

 ▼日本ハム・芝草投手コーチ 20分前にブルペンで肩ができ上がっていた。本人に10分前とかに遅らせる手もあるよとアドバイスした。

 【楽天打者の反応】

 ▼山崎 緊張しとったし、真っすぐは垂れていたな。でも投球術があるし、頭のいい子。次の本番が楽しみだね。

 ▼鉄平 特に印象はなかった。抜ける球が多くて怖かったです。

 ▼中村 制球はいいけど球に切れがなく、空振りするような球はなかった。フォームも見やすいですし、打席で球を見られる時間が長いからバットに当てやすい。

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