初の開幕投手へ…能見“文句なし”の投球

[ 2011年4月4日 06:00 ]

慈善試合<横・神>6回4安打無失点の好投で開幕へ万全の仕上がりを見せた能見

復興支援試合 阪神6―0横浜

(4月3日 横浜)
 4・12開幕へ準備万端や!開幕投手が決定している阪神・能見篤史投手(31)が3日、東日本大震災復興支援チャリティーマッチの横浜戦(横浜)に先発。6回を投げ4安打無失点と好投した。発熱のため28日の全体練習を欠席し、29日の中日戦登板も回避したが、短期間でしっかりと修正。本番前の最後の調整登板を最高の形で締めくくった。

 与えられた大役にふさわしいピッチングだった。先発した能見が6回を4安打無失点。4月12日の開幕・広島戦(甲子園)へ向けた最後の登板で、文句のつけようがない結果を残した。

 「細かいことより、とにかく0点に抑えるのが一番だった。(開幕へ準備は万端か?と問われ)そうですね。しっかりやるだけです」

 これが、開幕投手の底力か。走者は許しても、ホームだけは踏ませない。初回1死二塁でスレッジ、村田の後続を封じると、2回1死一塁ではチェンジアップで森本を遊ゴロ併殺に仕留めた。「うまいこと使っていければいいですね」。今季の大きなテーマである緩急を駆使し、狙い通りのピッチングを展開した。

 「(慈善試合は)ありがたいことですね。応援してくれている人たちにいい姿を見てもらいたかったので」

 秘めたる思いを持ってのマウンドだった。3月11日に発生した東日本大震災。自身も04年10月に兵庫県豊岡市内の実家が台風による水害を経験しており、伝わってくる惨状は決して人ごとではなかった。

 「うちの家も水害のときはいろんな方々に助けてもらった。何か恩返しをしたかった」

 3月20日には日本赤十字社を通じて、義援金100万円を寄付した。今度は自分たちが、被災者の力になる番-。この日の好投には、そんな思いも隠されていた。

 「体調面は関係ない。多少のズレはありましたけどね」

 同28日には発熱のため全体練習を欠席し、予定されていた29日の中日戦登板を回避していた。本来ならあす5日の巨人戦も経て開幕を迎えるはずだったが、1試合分は未消化のまま。思わぬアクシデントで周囲を心配させたが、そんな不安も一蹴した。

 「あとは気持ちだけ」

 4・12を前に、やるべきことはただ一つ。左腕から出た力強い言葉は、万全の準備を整えた裏付けでもあった。

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2011年4月4日のニュース