おじは柳葉敏郎!東海大相模・佐藤“一世風び”

[ 2011年3月28日 06:00 ]

<東海大相模・関西>4回、佐藤は2点適時二塁打を放つ

第83回選抜高校野球 東海大相模9―1関西

(3月27日 甲子園)
 第83回選抜高校野球は27日、1回戦3試合が行われ、3季連続出場の東海大相模が佐藤大貢主将(3年)の2安打4打点などの活躍で関西(岡山)に9―1で快勝。城南(徳島)、鹿児島実(鹿児島)も初戦を突破した。 

 おじ譲りの強心臓で3万人の大観衆を魅了した。東海大相模の4番・佐藤が2安打4打点の大暴れ。9―1で圧勝発進に伝統校の主将も務める主砲は「(昨年センバツで)初戦敗退した悔しさがあった。ここで歌う校歌は気持ちがいい」と満足げに振り返った。

 母・乃信子(49=のぶこ)さんの兄が俳優の柳葉敏郎(50)。幼少のころ、そのおじとのキャッチボールをきっかけに野球にのめり込ん佐藤は、今年の正月に会った際「出るからには決勝を目指せ」とゲキを飛ばされた。初回1死二、三塁から中前へ2点先制打を放つと、4回は2死二、三塁から右翼線へ2点二塁打。期待に応えてみせた。

 打つだけではない。大事な初戦をエース近藤でなく、公式戦初登板となる背番号17の左腕・庄司に先発を任せることを門馬敬治監督に進言。「佐藤が日頃受けてきた感覚を大事にした」として起用に踏み切った指揮官に、回が終わるごとに「まだいけます」と訴えた。終わってみれば最速126キロの技巧派2年生を1失点完投へ導き、攻守でチームを引っ張った。

 準優勝した昨夏甲子園も控え捕手で出番がなく、佐藤にとってこの日が甲子園初出場。その中で、大勢の観衆を魅了するおじに負けない主役ぶりで初戦を突破したが「初戦突破が目標じゃない。大きい目標を持たないと」と表情を引き締めた。エース一二三(ひふみ=阪神)を擁した昨年チームは、センバツでまさかの初戦敗退。夏もあと一歩で頂点に届かなかった。佐藤を中心にチーム力でつかんだ今回のセンバツ切符。見据えているのは00年以来となる紫紺の優勝旗だけだ。

 ▼柳葉敏郎(50)(秋田の実家でテレビ観戦)みんなのつくったチャンスを生かしての勝利でしたね。気持ちを引き締めて一試合一試合、全身全霊を込めた試合を期待しています。

 ≪背番号17・庄司、びっくり1失点完投≫公式戦初登板の東海大相模の背番号17、庄司が自身もびっくりの快投を見せた。9回に3連打を浴びて惜しくも完封は逃したが堂々の1失点完投。これまでの最長イニングは6回という左腕は「7回くらいから疲れました」と話したが、出場32校中2位のチーム打率・384を誇る強打線を6安打に抑えた。昨秋はベンチにも入っていなかった庄司は「出来すぎ。完封なんて意識しませんでした」と最後まで謙虚だった。

 ◆佐藤 大貢(さとう・ひろつぐ)1994年(平6)3月14日、静岡県生まれの17歳。小1から静岡豊田少年野球団で野球を始め、東海大翔洋中3年時に全国大会準優勝。東海大相模2年の春夏甲子園は背番号12でベンチ入りも出番はなし。新チームの秋季神奈川大会から4番で、高校通算6本塁打。家族は両親と姉。1メートル82、83キロ。右投げ右打ち。

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