震災発生後初の勝利…山崎「勝っていかないと」

[ 2011年3月28日 06:00 ]

練習試合<ソ・楽>東北震災後の初勝利に選手を出迎える星野監督

練習試合 楽天1-0ソフトバンク

(3月27日 ヤフードーム)
 楽天の守護神候補・美馬が本多を空振り三振に仕留めると、星野監督はベンチで選手を迎え入れた。時折、笑みを浮かべながらのハイタッチ。8日の広島とのオープン戦(マツダ)以来、対外試合10試合ぶりの白星。東日本大震災発生後初めて勝利の儀式を味わった。

 「震災後初勝利か。公式戦ではないけど、ずっと勝てずに気持ち悪いところはあった。これだけ負け込んでいたから」

 勝ちにこだわった継投で1点差を守りきった。8回に2番手・佐竹が2死一、三塁のピンチを迎え、すかさず小山にスイッチ。これまで見られなかったイニング途中の投手交代で逃げ切った。

 地震発生以来、チームは本拠地・Kスタ宮城がある仙台に帰ることができていない。各地を転々とする遠征生活が続いている。そんな中で「俺たちができることは何か。やっぱりいい成績を残して仙台に凱旋することが一番いい」と星野監督。元気にプレーし、そして勝利を。それこそが被災地に力を与えると考えている。練習試合とはいえ、負け続けているわけにはいかなかった。

 主砲の山崎も指揮官と同じ考えだ。4回2死三塁で決勝二塁打。前日に好機で凡退し、この日は試合前にビデオで打撃フォームをチェックした。左足の上げ方を微調整して結果を残し「勝ったのは震災後初めてか。少ないチャンスをものにして、勝っていかないと」。仙台から遠く離れていても、地元のことが頭から離れることはない。

 チームは震災後、募金活動やチャリティーイベントで被災地を支援している。開幕まで残り15日。本業の野球でも、白星で仙台に元気を送る。

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2011年3月28日のニュース