飛ばし過ぎた岩隈“だって僕たち本気ですから”

５回のピンチで小久保を三振に仕留め、雄叫びを上げる楽天・岩隈

　【楽天１１―４ソフトバンク】７点差の９回のマウンドに岩隈は迷わず向かった。一球一球にスタンドがどよめき、岩隈コールが沸き起こる。「本当にいい雰囲気。声援を感じながら投げた」。最後はほほ笑みすらたたえ、大事な初戦を投げ抜いた。

　相手は杉内。１回から飛ばした。いや、飛ばしてしまったのだという。「すごい気合が入って…。早く平常心に戻りたかった」と振り返る。バランスを崩し、失策も絡んだ４回には４失点。だが、力強い７点の援護があった。「みんなで戦っているという気持ちだった」。気持ちを持ち直し、低めを攻める。特有のゴロの山が積み上がった。
　９月にお立ち台で言った言葉がある。「僕たち本気ですから」。史上最弱と笑われた創設１年目から主戦としてチームを支え続けてきた意地をぶつけた。そして、この日もお立ち台で叫んだ。「あす決めます。てっぺんを取るのは本気ですから」。それを笑う者は、もういなかった。