杉内を引きずり降ろした“非レギュラーコンビ”

[ 2009年10月16日 22:16 ]

3回、楽天打線につかまり降板するソフトバンク・杉内

 【楽天11―4ソフトバンク】杜の都の夜空を、楽天打線の4本塁打が彩った。うち3本は杉内から。野村監督が「予想もしなかった」と振り返った一発攻勢で、相手エースを沈めた。

 1回、先頭の高須がいきなり左翼席へ放り込んだ。「チームに勢いを付けたかった」という1番打者の言葉通り、これで打線に火が付いた。2死後にセギノールが特大の2ラン。3回には中島が左翼ポール直撃の2ランを放ち、杉内をマウンドから引きずり降ろした。
 高須、中島は今季の対左投手の打率が3割を超える。不動のレギュラーではない2人だが、相手が左腕なら先発メンバーだ。1番に高須、6番に中島を組み込んだ打線は、いわば左投手用の「スペシャルチーム」。指揮官は「いろいろ考えたが、結果的にいいオーダーになった」と満足げだ。
 今季の楽天で、レギュラーシーズン144試合の半分以上に出場した野手は13人、60試合以上なら16人にも上る。代打要員や守備固めなど、役割分担がはっきりしているためだ。高須は「多くの選手がそれぞれの役割で試合に出る。みんながうまく集中できている」と言う。「左キラー」の右打者が好左腕を攻略したこの試合には、専門職の集団というチームの持ち味が凝縮されていた。

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2009年10月16日のニュース