「辞退は選手の意思」オレ流反論50分間

[ 2008年11月23日 06:00 ]

秋季練習でバットを手にする落合博満監督

 中日の落合博満監督(54)は22日、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補に挙がった中日の選手すべてが辞退したことについて釈明した。個人の意思を尊重していることを強調した上で“拒否”“ボイコット”とされていることについて、約50分間にわたって強く反論。選手選出方法にも疑問を投げかけるなどし、自チームの正当性を訴えた。

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 落合監督は一歩も譲らなかった。秋季練習中のナゴヤ球場記者席。報道陣を前にした“独演会”は50分間にも及んだ。
 「選手は一個人事業主だし生活権もある。行きたくないヤツを無理に行かせて、ケガしたら責任を取れない。出たいヤツは出ればいい。辞退?選手の意思を尊重しただけ。現場も球団フロントもタッチしていない。組織どうこうがあるなら五輪に5人も出してない」
 中日では岩瀬、森野、浅尾、高橋の候補4選手だけでなく、スタッフ会議で急きょ候補入りを打診された和田も含めて全5選手が辞退した。明確な理由が示されなかったことから、球団に対して一部代表首脳陣は不信感をあらわにしていた。
 落合監督によれば岩瀬は背中、首筋に不安を抱え、森野は左ふくらはぎ痛。高橋、浅尾の2人もシーズン中に故障で2軍落ちしたことから、球団側に辞退する意思を伝えてきたとして「ウチだけ悪者にされたら選手も球団も立つ瀬がない。非協力的ってのは筋違い。国内の連中だけがバッシングされるのはおかしい」と反論。さらに、メジャー選手の辞退、五輪終了後に代表引退を示唆した巨人・上原、ヤクルト・宮本らが何の言及もされないことに「一部の人間に配慮している」とした上で「野球界は一枚岩じゃない。争っているんだから」とした。
 辞退の理由を明確にしなかったことについては「理由を書けとは書いてなかった」。その上で(1)候補者のリストアップ前に、まずは選手に出場の意思を確認するべき。(2)特例としてキャンプスタートを2週間程度早めて12球団を視察してから人選作業をすれば異論は出ない--と選手選考についての持論も展開した。
 選手を預かり、ペナントを争う指揮官の立場から出た言葉。とはいえ、球界の活性化にもつながるWBC連覇に向けて、盛り上がりに水を差したのは否めない。「NPBの人でも代表の監督、コーチでも誰でも来ればいい。ちゃんと説明してやるよ」。落合監督の言葉は“日の丸愛”を掲げるWBC原監督、そしてファンにどう響くのか。

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2008年11月23日のニュース