「残念です」田沢力尽く…メジャーで雪辱だ

[ 2008年11月23日 06:00 ]

<新日本石油ENEOS・JR東海>8回1死二塁、田沢純一投手は打球に飛びつく

 【新日本石油ENEOS2―3JR東海】田沢が散った。スポニチ後援第35回社会人野球日本選手権第10日は22日、京セラドームで準決勝2試合が行われ、メジャー挑戦する新日本石油ENEOS・田沢純一投手(22)はJR東海戦で2―2の7回1死から登板も痛恨の勝ち越し打を喫し、2―3で惜敗。有終の美を飾ることはできなかった。今後は獲得の大本命とされるレッドソックスなどのあいさつを受け、いよいよ海を渡る。なお、23日の決勝は84年住友金属以来の連覇を目指すトヨタ自動車とJR東海による「東海対決」となった。

【試合結果


 逆転を信じてベンチ横でキャッチボールを続けていた田沢は、ぼう然とした表情で一番最後に整列に加わった。
 「ゼロに抑えなければいけないところだった。大久保監督の期待に応えられなくて残念です。拾ってもらった会社に感謝したい」
 社会人ラストゲーム。悔しさをこらえた右腕は、努めて冷静に振り返った。2―2の7回1死一、二塁から登板。2死二、三塁からフォークを左前に運ばれて決勝点を献上した。2戦連続完封を含め、今大会4試合中3試合に登板。「疲れは多少あったが問題ない範囲」としたが、前日は連発した150キロ台もこの日はわずか1球。直球にいつもの切れはなかった。
 敗れはしたが、その評価は色あせない。近日中に行われる入団交渉に向けて、獲得の大本命とされるレッドソックス・シプリー国際スカウト担当副社長は通訳を伴って視察。「大変面白い試合で楽しかった」と満足そうに席を立った。田沢は宿舎に戻ると4年間、苦楽をともにしたチームメートと別れを惜しみながら杯を交わした。23日は川崎市内の寮で完全オフ。24日の全体ミーティングを経て、25日にもメジャー球団との本格的な入団交渉が始まる。
 「監督と話して交渉していくと思う」と田沢。スポニチ大会と都市対抗を制しダブルMVPに輝いた08年。社会人野球の歴史に名を刻んだ右腕が、いよいよ海を渡る。

 <JR東海 日野原が値千金打>9番・日野原が田沢を打ち砕いた。7回2死二、三塁から値千金の左前打。「対戦したかった。出てきてヨシ!と思った」。初球の148キロで「直球は打てない。変化球だけを待った」。追い込まれてから直球を2球粘り、6球目のフォークをとらえた。東亜大では03、04年と明治神宮大会連覇を経験している3年目のスイッチヒッター。社会人での日本一もつかみ取る。

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2008年11月23日のニュース