元横綱・貴乃花 大の里へ「優勝しまくれ!」「勝ち越しは12勝」横綱としての心構えを説く

[ 2025年9月29日 04:30 ]

花田光司さんが特別寄稿

<大相撲秋場所・千秋楽>鯛を持つ大の里。右は二所ノ関親方、左は西岡徳馬(撮影・藤山 由理)
Photo By スポニチ

 大の里の年間3度目の優勝は、日本出身力士としては1997年の貴乃花以来、実に28年ぶり。その元横綱・貴乃花の花田光司さん(53)が本紙に特別寄稿し、今後の横綱としての心構えを説いた。

 大の里に何かを言うとしたら、勝てるときに勝て!優勝できるときに優勝しまくれ!ということですね。

 彼は自分が取るべき相撲を取れば、力は抜けています。特に今場所は体を密着させて取っていましたから、相手は攻め返そうとしてもできなかった。加えて下半身も柔らかくなっていました。それだけ四股、てっぽう、すり足などの基本の稽古をしっかりと積み重ねてきたのだと思います。

 優勝するためには基礎が重要です。よく、調子が悪くなったりすると“初心に返れ”と言われたりしますが、横綱が簡単に初心になんて返れません。ですので普段から原点回帰しやすいように、基礎構築力を常に鍛え上げておく必要があります。

 先場所は新横綱で緊張感もあったと思いますが、今場所は少し慣れて落ち着いて取れていたはずです。新横綱場所というのは、勢いはあるんですよ。負ける気がしないというか。でも逆に勢いが余ってリズムを崩す場合もある。大の里はスピード出世していますから“横綱になれたのは良いけど、このままで良いのだろうか”という葛藤もあったと思います。そういう精神面、気力のかみ合わせに先場所は悩んだのではないでしょうか。

 私の経験から言わせてもらえれば、横綱になって最初の1年くらいは地位にも慣れて、落ち着いて取り続けることができます。でも2年目以降は震えるような緊張感しかありませんでした。横綱の勝ち越しは12勝。それより後はない。負け越しても翌場所勝ち越せば良い大関とは訳が違います。大の里もこれからそういう重圧と闘っていくことになります。 (元横綱・貴乃花)

続きを表示

「花田光司」特集記事

「羽生結弦」特集記事

スポーツの2025年9月29日のニュース