バケットハットの勝俣陵 初優勝を“師匠”片山晋呉に届けた 「バケハのリョウで覚えて」妻もうれし涙

[ 2025年9月29日 04:00 ]

男子ゴルフツアー パナソニック・オープン最終日 ( 2025年9月28日    大阪府 泉ケ丘CC(6993ヤード、パー71) )

初優勝を飾った勝俣陵
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 29歳の勝俣陵(ロピア)が1イーグル、4バーディー、4ボギーの69で回り、第2日からトップを守って通算20アンダーで初勝利を飾った。2年前から着用するバケットハットがトレードマークで、プロ転向9年目で今季8人目となるツアー初Vにたどり着いた。20位から出て62をマークした小木曽喬(28=フロンティアの介護)らが1打差の2位に入った。

 遅咲きの29歳がついに初優勝をつかんだ。「凄くうれしい。焦りはなかったけど、20代で優勝したいと思っていた」。最終18番、ウイニングパットを沈めた勝俣はバケットハットを脱ぎ、集まった仲間からウオーターシャワーを浴びながら、涙を流した。

 2位と3打差の単独首位で迎えた最終日。勝利を引き寄せたのは、猛追する後続と1打差に迫られた14番パー4だった。第2打残り40ヤードを60度のウエッジで振り抜き、チップインイーグル。「安心しちゃった」とその後は痛恨の連続ボギーを叩いたが、それでも粘って最後までトップを譲ることはなかった。

 ゴルフを始めたのは14歳と遅め。それまではクラブチームで野球に熱中するも、両膝のケガで断念。その後、父に勧められて初めてクラブを握った。中学2年の冬、初ラウンドのスコアは111。そこから土日は1500球を打ち、強豪・埼玉栄高に入学する前には80台でラウンドするまでに成長した。

 “師匠”に届けた恩返しVだった。約4年前から毎冬に日大の先輩でツアー通算31勝の片山晋呉と約1カ月練習に励む。その片山は骨に菌が入り6月から2カ月入院し、現在もリハビリ中だが、この日のスタート前に「誰でも緊張はするし、ミスはするもの。しっかり出し切ってこい」と連絡をもらい、緊張が和らいだという。

 キャディーを務めたこともある石川遼とは同じ埼玉出身で同じ名前。「次のリョウくんは僕だぞと言いたいけど…バケハのリョウで覚えてくれたら」。新たなスター誕生を予感させた。 (松岡 咲季)

【妻も涙「自分でも遅咲きと…」】
 東京から急きょ応援に駆けつけた勝俣の妻・あやかさんは「遅咲きだと自分でも言っていた。人一倍努力してみんなに並べるようになった」と涙を流しながら見届けた。23年10月には長女が誕生。「ローストビーフやサムギョプサル、煮込みハンバーグ、何でも作ってくれる。120点の育メンです」と明かした。長女が2歳を迎える来月は家族で遊びに行く予定だったそうで、「いい誕生日プレゼントになった」とうれしそうに話した。

 ◇勝俣 陵(かつまた・りょう)1995年(平7)12月27日生まれ、埼玉県三芳町出身の29歳。父の勧めで14歳からゴルフを始める。強豪の埼玉栄高に進学し、3年時には関東高校選手権で個人、団体の2冠を達成。日大3年時には埼玉オープンを制した。17年にプロ転向し、20年の日本オープンでツアーデビュー。現在賞金ランキングは16位。1メートル74、73キロ。

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