バドミントン・“シダマツ”涙のペア解消 集大成は思い出のパリ 「2人で優勝して有終の美を」

[ 2025年7月9日 04:30 ]

会見で涙を見せる志田千陽(左)と松山奈未
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 バドミントンの女子ダブルスでパリ五輪銅メダルの志田千陽(28)、松山奈未(27=ともに再春館製薬所)が8日、熊本県内で会見し、ペア解消を発表した。15日開幕のジャパン・オープン(東京体育館)を経て、8月の世界選手権(パリ)が「シダマツ」のラストとなる。14年に初めてダブルスを組んで11年。人気と実力を兼ね備えたペアがそれぞれ新たな道を歩む。

 お互いへの思いを口にすると、2人の目からポロポロと涙があふれた。1歳違いの志田と松山がダブルスを組んで11年。パリ五輪銅メダルという世界屈指のペアが、新たな道を歩むことを決断した。

 志田は「同じ目標を持って一緒に走り続けられるパートナーに出会えたことは当たり前じゃない。そんなパートナーと出会えて、一緒に戦えたこの約10年は私にとって宝物」と声を震わせ、松山は「ありがとうという言葉では足りない。最強で最高のパートナーと巡り合えた私は幸せ者」と目を真っ赤にした。

 転機は志田が高校1年、松山が中学3年のジュニア日本代表合宿。以前からメールで連絡を取り合うなど気が合った2人が初めてダブルスを組んだ。翌14年にペアとして初めて出た国際大会でいきなり優勝。志田は「友達から始まって、家族より長い時間を一緒に過ごした」と振り返る。

 ともに再春館製薬所に入社し、24年パリ五輪に向けて懸命に練習を重ねてきた。銅メダルを獲得。だからこそ五輪後は、その後のペアの在り方に葛藤した。志田の「世界一になりたい」という意向に対し、松山は「五輪に人生を懸けて準備をした。これ以上強くなる自分を想像できなかった」と胸の内を明かす。2月から話し合いを重ね、お互いの未来を考えた上で決断した。

 今後、志田は五十嵐有紗(BIPROGY)と新たなペアを組み、松山はミックスダブルスに挑戦するなどそれぞれの道に進む。シダマツとしての戦いは、パリ五輪と同じ会場で行われる8月の世界選手権が最後。志田が「5回出て5回ベスト8で負けている。世界選手権で優勝したい」と言うと、松山も「2人で優勝して有終の美を飾りたい」と続けた。2人で歩んだ11年の集大成。シダマツらしく、最後まで頂点を目指して戦い抜く。 (中村 文香)

 ◇志田 千陽(しだ・ちはる)1997年(平9)4月29日生まれ、秋田県八郎潟町出身の28歳。6歳の時に地元クラブ「八郎潟レイクジュニア」でバドミントンを始めた。青森山田中、高を経て16年再春館製薬所入社。アイドル好きでお気に入りは坂道グループ。1メートル62。血液型B。

 ◇松山 奈未(まつやま・なみ)1998年(平10)6月28日生まれ、北九州市出身の27歳。元実業団選手の母・裕子さんらの影響で7歳でバドミントンを始めて地元クラブ「岡垣ジュニア」で腕を磨いた。九州国際大付中、高を経て17年再春館製薬所入社。韓流ドラマ好き。1メートル67。血液型B。

 ▽シダマツペアのパリ五輪銅メダル 準決勝で劉聖書、譚寧組(中国)に0―2で敗れ、決勝進出を逃した。それでも翌日に行われた3位決定戦でペアルイ・タン、ムラリタラン・ティナー組(マレーシア)にストレート勝ちして銅メダルを獲得。勝利が決まって号泣する後輩の松山を優しく包み込む志田の姿が印象的だった。

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