【悼む】裕次郎さんと同額の印税…昭和の大スターに負けない存在感

[ 2025年6月18日 04:59 ]

78年、関脇昇進の増位山はギターを奏でる
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 増位山さんは水泳でインターハイに出たことがあるアスリート系力士だった。だが同じような経歴の貴ノ花さんが、メキシコ五輪の星と言われた才能の持ち主だっただけに、水泳の話をしようと水を向けても「俺は彼とは比較になんないから」と乗ってこなかった。大関になっても同部屋に大横綱の北の湖さんがいて、その陰に隠れる存在だった。

 ただマイクを握ると一変。増位山さんが現役を引退し記者クラブの担当親方だった頃、私が幹事役で相撲協会と記者クラブの懇親会を温泉街のホテルで開いた。協会からは春日野理事長(元横綱・栃錦)ら重鎮が参加。宴会が予想以上に盛り上がり、芸者さんの拘束時間が予定をオーバー。ホテルの女将さんに「花代が予算を超えてます」と泣きつかれた。理事長に相談すると「じゃあ、歌わせろ!!」と増位山さんにカラオケ指令が飛んだ。それで増位山さんが大ヒット曲の「そんな女のひとりごと」を熱唱し始めると、芸者さんは大喜び。ホテル中から一般のお客さんも集まってきて、結局花代はチャラになった。

 増位山さんの現役時代にテイチクレコードに取材に行った時には「うちで一番印税が高い(石原)裕次郎さんと同じ1枚5円」と教えてもらった。理由を尋ねると「増位山さんを知らない人はいないから」と説明され、昭和の大スターと肩を並べるその存在感に驚いたことを覚えている。(スポニチOB、東京相撲記者クラブ会友・龍川 裕)

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