花を開き始めた丸山茂樹のジュニア育成の種 きっかけはプレジデンツ・カップ

[ 2024年10月12日 20:50 ]

丸山茂樹ジュニアファンデーション大会の高校女子の部で優勝した伊藤愛華(埼玉栄2年)と丸山茂樹、右は内藤雄士氏
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 9月にカナダで開催されたプレジデンツ・カップで世界選抜の副主将を務めた丸山茂樹(55=セガサミーホールディングス)。その丸山が主宰する「丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」が12日、千葉・平川CCで行われた。

 実は今回で31回目を迎える同大会はプレジデンツ・カップがきっかけで始まった。

 丸山は米国選抜と欧州以外の世界選抜の対抗戦であるプレジデンツ・カップに1998年、2000年の2度出場。98年大会では、5戦全勝の大活躍を演じMVPに輝いた。

 プレジデンツ・カップは名誉を懸けた戦いであるため出場選手、主将、副主将に報酬は支払われない。その代わりに、選手らが指定する社会貢献活動や慈善活動を行っている団体に一定額を寄付する。

 丸山はそれを原資に00年にジュニアゴルファーの育成を目的とした丸山茂樹ジュニアファンデーションを設立。09年からトーナメントを実施し、その優勝者には男女ツアーのマンデー予選の挑戦権を与え、次代を担うゴルファーの技量向上と心身の成長に貢献してきた。

 「少しでも(子供たちに試合の経験ができる)機会をあげたという気持ちだけですね。日本ジュニアや関東ジュニアなどのメインの大会がある中で、僕らの試合はスパーリングみたいなもの。その練習環境を整えてあげられれば良いのかなと思うだけです」

 過去の同大会の出場者には久常涼や岩井姉妹、臼井麗香、佐久間朱莉ら男女ツアーで活躍するそうそうたる顔ぶれが並ぶ。「ここで育ったわけではないですけど、ここを通ってくれて、そこからああいうスターが生まれたというのはうれしいですね」と謙虚に振り返る。

 功成り名を遂げたゴルファーが自らの名前を冠したジュニアの試合を開催するのは珍しくない。しかし丸山のように16年間、31回もそれを実践し続けるのは決して容易なことではない。ジュニア大会の中には、出場者からエントリーフィーを徴収して運営しているところもあるが、丸山茂樹ジュニアファンデーション大会は無料。「普通の会社員の家庭の子供でもゴルフに親しめるようになれば良い」という丸山のこだわりで、少しでも負担がかからないように子供たちをサポートしている。

 大会運営にかかる費用は自身の負担に加え、スポンサーなどの協力でまかなっている。それだけに「(ジュニアを育てようという)同じ志を持ってくれるスポンサーの方々には感謝しています」と頭を下げる。

 将来的には全国大会を開催することが目標だが、ジュニアの支援は継続性が重要。そのためには着実に足場を固め、一歩ずつ前に進んでいくことが大事だと分かっている。

 「こうしてジュニアの子たちが試合ができる環境づくりをやっていって、いずれ全国大会をやりたいと思っています」

 丸山が次世代の育成に注ぐ思いは、しっかりと実を結びながら、確実に広がりを見せ始めている。

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