ブレイキンShigekixが母校の小学校でダンス講義「世界大会に出て五輪で戦った相手を倒したい」

[ 2024年9月19日 16:19 ]

母校の生徒の前でブレイキンの思いを語るShigekix
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 パリ五輪ブレイキン男子4位のShigekix(本名・半井重幸=22)が大阪狭山市の母校、第七小学校で授業形式の講義を行った。

 1時間目は多目的ルームでの対話式講義。部屋に入れなかった生徒はオンラインでそれぞれの教室から見守った。司会はパリ五輪ブレイキン中継で解説者を務めた白井健太朗氏(37)。「7歳でブレイキンを始め、11歳の頃から海外の大会に挑戦。キッズの国際大会を総なめにしました」と小学生時代からの活躍を紹介されると、Shigekixは「この学校に通っている2年生の時にブレイキンに出会いました。小学校5年生くらいから国際大会で米国に行ったり、欧州に行ったり。卒業してから学校にはいるのは10年ぶり。この多目的室の床はカーペットだったんですが、踊りやすそうなツルツルのに替わっています」と笑うと、司会の白井氏が「ブレイキン仕様だね」と指摘すると、大きくうなずいた。

 小学生のShigekixは果敢に大人たちに挑戦した。「向かい合った時に僕はめちゃくちゃ小さくて。相手はめちゃくちゃ大きくて、筋肉もあって。そんな小柄な子供の僕が、どんどんたくましい大人たちを倒していく姿をみんなに見せたい。そんな気持ちがモチベーションにつながりましたね」と子供たちに語りかけた。夢や目標を叶えるためにやってきたことを聞かれると「とにかく頭でイメージすること。3年後、5年後、10年後にこうなりたいなとイメージしたら、現実的に明日を、来週を迎えるためにどう過ごしていくか。僕は7歳の時に5年後を。5年後にはまた次の5年後をイメージして過ごしていました」と説いた。

 次の28年ロス五輪でブレイキンは除外されたが、競技への思いは尽きない。「22歳の僕は大人の中ではまだまだ子供。オリンピックに出場して満足するのではなく、世界でたくさんの大会があるので挑戦して。悔しい結果になった五輪で戦った相手を倒す姿をみんなに見せて、エネルギーを与え続けたい」と目標を掲げた。

 この後、サプライズで小学生時代の恩師・森大輔先生(44)と石田直伺(なおじ)先生(41)が登場。Shigekixが「絵を描くことがとても上手」で修学旅行のしおり係を務めたことを明かした。なぜ、しおり係だったのか?森先生は「修学旅行はフランスの大会に出るから行けない」から。「彼が事前準備はしっかりやりたい、ということでしおりを作ってもらった。しおりの挿し絵とか本当に上手でね」と明かした。

 さらに卒業文集の一節を紹介。「ブレイクダンスでの世界大会出場は学校あっての結果だった。学校以外のことも成長した。自分はずっと織田信長のようなチャレンジ精神のある人になりたいと思っている。そして、自分にとって四年の一件は本能寺の変、本能の変だ。(原文のまま)」この難解な文章をShigekixは「4年生の時の担任の先生がブレイクダンスをされていたんです。それまでの僕はふわっと学校に来て、授業は聞いてなかったり…。その先生にブレイクダンスやってる子が学校のこと全然できていないって思われたくなくって。ブレイクダンスの結果も、学校でちゃんとやっていることも自慢にしたい。稲妻が走って自分の考え方が変わったので“本能の変”。歴史をぶっこんで、格好良くまとめたかったんですね」と苦笑した。

 2時間目は1年生から3年生に実技講習。3時間目は4年生から6年生にブレイキンの基礎を教えた。立って踊る「トップロック」。床に手をついて足をさばく「フットワーク」。頭や手、体で回る「パワームーブ」。バチッと止める「フリーズ」の4つの構成をトップダンサーのTsukki(18)と実演。小学生と一緒に基本のダンスを踊って「ウチに帰ってお父さん、お母さんの前で披露してな」と小さな後輩たちの上達ぶりに満足そうに笑顔をふりまいていた。

 ◇Shigekix(シゲキックス)本名=半井 重幸(なからい・しげゆき)2002年3月11日、札幌市生まれの22歳。大阪狭山市の狭山第七小に通う7歳の時に姉・彩弥(ダンサーネームはAYANE)の影響でダンスを始める。9歳で世界大会に初出場。11歳でブレイクダンス世界選手権のU―12部門で優勝した。昨年の全日本ブレイキン選手権で3連覇を達成。アジア大会で金メダルを獲得してパリ五輪代表となった。パリ五輪は4位。1メートル66、58キロ。

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