【パリ・パラリンピック】道下美里は連覇ならずも銅 スペイン選手失格で繰り上がり マラソン視覚障害女子

[ 2024年9月8日 18:45 ]

パリ・パラリンピック最終日 ( 2024年9月8日    ジョルジュバルボン公園―アンバリッド(廃兵院)の42.195キロ )

表彰式でメダルを掲げる道下美里(ロイター)

 マラソンが8日に行われ、視覚障害(T12)女子で21年東京大会覇者の道下美里(47=三井住友海上)は3時間4分23秒で銅メダルにとどまり、2連覇を逃した。トラック種目の1500メートル(T13)で銀メダルのファティマエザフラ・エルイドリシ(29=モロッコ)が、道下が20年12月にマークした世界記録を5分以上も更新する2時間48分36秒の世界新で金メダルを獲得した。

 男子の日本勢は東京大会銅の堀越信司(36=NTT西日本)が2時間28分3秒で7位に入賞したのが最高。トラック5000メートル4位の和田伸也(47=長瀬産業)はT11クラスのパラリンピック記録を更新する2時間29分59秒で9位、東京大会7位の熊谷豊(37=三井ダイレクト損保)は2時間32分26秒で10位だった。東京大会6位のワジェディ・ブヒリ(25=チュニジア)が2時間22分5秒で優勝した。

 男女同時スタートで後方から走り始めた道下は、5キロ地点を21分14秒で通過。だが、スタートから先頭に立ったエルイドリシは18分25秒で、早くも2分49秒差をつけられた。過酷なコースに持ち味であるレース猛半も苦しみ、4番目にフィニッシュしたが、3番目にゴールしたエレナ・コンゴスト(36=スペイン)が競技終了後に失格となり、銅メダルに繰り上がった。

 21年東京大会ではパラリンピック新記録で金メダルを獲得。達成感はあったものの、マラソン連覇という目標を見出してパリを目指した。ケガに苦しんだ時期を乗り越え、地道に続けた筋トレの成果で走り方に無駄がなくなり、5000メートルとハーフマラソンでは自己ベストをマーク。自らの世界記録2時間54分13秒の更新も視野に入れて走り続けたが、2位に9分以上もの大差をつけたエルイドリシのスピードには勝てなかった。

 ▼道下 凄いスピードのある選手がいたので、自分のペースをキープして後半にきつくなったら、じわじわ攻めたらメダルを取れるかな、最後攻めようと思って走った。しっかり自分のリズムでいけば必ず捕らえられると思いながら、きつい中でも粘ってという気持ちで走ってました。(涙で)3年間、本当にうまくいかないことばっかりだったんですけど、仲間が支えてくれて、どんなときも応援してくれて、ここまで仕上げてこられました。

 ▼堀越 いろいろな方に応援していただいたにも関わらず、不甲斐ない走りになってしまって申し訳ない気持ちと悔しい思いだけです。持ち味の後半に力を発揮できなかったのと、コースに対応できなかったのは自分の力不足と思います。

 ▼和田 大声援の中で走ることができて、最後は苦しみましたが、楽しい42.195キロでした。T11の選手には厳しいコースだったが、下見した通りに走れて記録が付いてきた。全員で感想できてよかった

 ▼熊谷 東京の後はケガとか不調があったんですけど、この日のために調整できたので、あとは出すだけと思って最後まで走り抜きました。日本国内にいるかのように、いろんなところに日本の国旗があり、日本語での応援の言葉が聞こえたのでうれしかった。

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