【ゴルフ】2差3位浮上の山下美夢有「しっかりとしたスイングで安定している」

[ 2024年8月10日 13:08 ]

通算7アンダーの3位に浮上した山下美夢有(AP)
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 【森口祐子の目】3日目のスタート前、1番ティーインググラウンドで行われた選手紹介。山下美夢有選手の表情がとても柔らかかったのが印象的でした。名前を呼ばれると両手を振りながら明るい笑顔。目がキラキラと輝いていて、この場にいられる幸福感のようなものが伝わってきました。

 朝の練習場でのイメージが悪くなく、不安がなかったことがその表情に出ていたのだと思います。

 実際、この日は風がとても強く、翻弄(ほんろう)される選手も少なくなかったのですが、山下選手はリズムを壊すことがなく、しっかりとしたスイングで本当に安定していました。

 彼女はボールの横回転があまりないタイプです。上空で軌道がよじれるようなことがありません。横回転が多い選手は横風を受けると、ボールの曲がり幅が増幅されますが、彼女はそれが制御できていました。

 風が強い時にコントロールショットを打とうとすると、腕や上半身に頼りすぎて、ややもすると半身になったりします。でも、彼女は腕と体の距離が変わらず、しっかりとしたボディーターンで打てているので、ぶれがない。その精度の高さは、3日間トータルでランク1位のパーオン率(79・63%)に証明されています。

 メダル争いはリディア・コ選手やローズ・チャン選手など実力者が上位にくる展開になっています。ただ、これだけ池が絡むコースで後がない最終日は、1ホールも息が抜けませんし、高い集中力が求められます。

 その一方で初日のブティエ選手、2日目のメトロー選手、3日目のグリーン選手のようにすべてが良い方向にはまれば、コースの難しさをそれほど感じずに爆発的なスコアを出すことも可能です。男子の金メダルのシェフラー選手も最終日に62のコースレコードタイをマークして逆転優勝しました。

 山下選手が最終日にそうなることを願うばかりです。
 (プロゴルファー)

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