フェンシング女子初の銅メダル 三宅諒氏がラスト50秒の戦いを称賛「突きに行くこともしていない」

[ 2024年8月2日 17:28 ]

<パリ五輪 フェンシング女子フルーレ団体>銅メダルを喜ぶ(左から)宮脇、上野、菊池、東(撮影・小海途 良幹)
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 ロンドン五輪のフェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した三宅諒氏(33)が2日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)に生出演し、1日のパリ五輪フェンシング女子フルーレ団体で、日本女子フェンシング史上初の銅メダルを獲得した一戦を解説した。

 カナダとの3位決定戦は、序盤から拮抗した戦いを展開。そんな中、1点リードで迎えた第5ゲームでエースの上野優佳(22=エア・ウォーター)が躍動。カウンターなどによる連続ポイントで19―14とリードを広げた。三宅氏は「今回、日本には攻め型の選手が多い」とし、「5試合目みたいな連続得点につながったのではないかなと思います」と分析した。

 勝利のポイントに挙げたのは、33―32と追い上げられた後の最後の第9ゲーム。出たのうは上野だった。三宅氏は「何とかして上野選手は時間を使って、相手に気づかれずに時間を経過させないというのが狙いでした」と解説。残り50秒で1点差に詰め寄られた後、取った作戦は、これまでの攻撃型と真逆の「勝負どころを作らない」というものだったという。

 上野が直前に攻めに行った際、カウンターを受けてポイントを奪われたことから、三宅氏は「攻めでも守りでもない。どうしようかとなった時に、勝負どころを作らないということを、上野選手は覚悟して決めたんです」と推測。残り50秒からの上野の動きを見ると、「6秒8のところ以外は、上野選手は突きに行くこともしていないんです」といい、「相手の剣をいなして、いなして、いなして、時間切れを狙いました」と解説した。

 フェンシングという競技の特性を逆手に取った策でもあったという。最終盤の上野は、相手に重なるかのような距離感を作り、相手の突きを封じた。三宅氏は「突いちゃうとタイマーが止まっちゃう。あえて近づいて、タイマーをとにかく動かす戦法を取りました」とし、「とにかく剣に近づいて近づいて、突かせない方法を取るために、上野選手はすごい50秒間を有効に使って」と説明。剣を出さないことは「本当に怖いこと」と、上野の勇気を称賛した。

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