阿部一二三 男子66キロ級 パリ五輪へ万全オール一本勝ち 足技強化の成果で決勝は1分弱で制した

[ 2024年3月31日 04:55 ]

柔道グランドスラム アンタルヤ大会第1日 ( 2024年3月29日    トルコ・アンタルヤ )

男子66キロ級で優勝した阿部一二三(右)と女子52キロ級を制した妹の詩
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 男女計5階級が行われ、パリ五輪代表内定選手が出場した日本勢は、男子66キロ級の阿部一二三(26)、女子52キロ級の阿部詩(23=ともにパーク24)の兄妹が全5試合一本勝ちで優勝した。そろって2連覇を狙う五輪前最後の実戦で、強さを見せた。決勝は阿部一がヌラリ・エモマリ(タジキスタン)を49秒、阿部詩は東京五輪3位のチェルシー・ジャイルズ(英国)を10秒で退けた。女子48キロ級は世界選手権3連覇の角田夏実(31=SBC湘南美容クリニック)が5試合全てで一本を奪って制した。

 技の応酬から大内刈りで相手の背中をつかせ、男子66キロ級決勝を1分弱で制した。阿部一は当然とばかりに表情をほぼ変えず、畳を後にした。今年初戦にして五輪前最後の実戦は5試合全て3分以内で一本勝ち。海外勢には18年7月を最後に負け知らずで、冷静に強敵を次々と仕留める姿には風格さえ漂う。

 収穫に挙げたのはモロッコ選手との3回戦だ。得意の担ぎ技を警戒し、腰を引いて構える相手をどう攻略するか。そこで重点的に強化したのが足技だった。探り合いから一気に前進して小外刈りを決め「練習した成果が出た。あれは良かった」と自賛した。

 大会全体では得意の袖釣り込み腰が健在で、接近戦でも強さを示して引き出しの多さが光った。今回のテーマだった「予想のつかない柔道」を体現し「なかなか悪くはなかった」と不敵に笑った。

 妹との2大会連続の五輪同日優勝へ、期待は高まるばかり。「ひたすら強さを求めている」と慢心することなく、己を磨いていく。

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