【クロスボーダーラグビー】埼玉・ディーンズ監督が異例の問題提起 シーズン中の国際交流試合開催を批判

[ 2024年2月4日 19:15 ]

クロスボーダーラグビー2024第2戦   埼玉38―14チーフス ( 2024年2月4日    埼玉・熊谷ラグビー場 )

<埼玉・チーフス>試合後に厳しい表情を見せる埼玉のロビー ディーンズ監督(撮影・久冨木 修)
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 リーグワン昨季4強と南半球最高峰のスーパーラグビー(SR)パシフィック勢が対戦する初の国際交流試合は第2戦が行われ、リーグワン昨季2位の埼玉がSR昨季2位のチーフスを38―14で破った。試合後には埼玉のロビー・ディーンズ監督が、シーズン途中の交流試合の存在意義について、異例とも言える強い言葉で疑問を投げかけた。

 「シーズンの真ん中に、このような試合をするのは簡単ではない。(順位を争う)競争もないし、ポイント(勝ち点)もない。失うものの方が多い。(実際にロックの)ハアンガナが故障した」

 会見冒頭でニュージーランド出身の名将が放ったのは、試合そのものへの問題提起だった。将来的にクラブ世界一決定戦化の構想がある「クロス――」だが、初回の今年は日本勢にとってシーズン途中、SR勢には開幕前の時期の開催。昨季の上位勢同士の対戦とはいえ、最大28人まで登録できる非公式戦の扱いだった。

 開幕6連勝中で首位を走る埼玉。単なる練習試合なら敗戦の痛みは皆無に近いが、リーグが主催し、公式戦よりも高い価格設定のチケットが売り出され、しかも相手の力量も高い。構想当初から異議を唱えていたというディーンズ監督は、「本来はプレーオフの後にやるべき。(昨秋に)W杯を終えた選手が短い期間しか休みがない中で出場した。もっと選手を大切に扱ってもらいたい。扱わない場合は、日本のラグビーがどうなってしまうかは分かるだろう」と主催するリーグ批判を繰り広げた。

 会見後にはミックスゾーンにも登場し、さらに15分間に渡って持論を展開したディーンズ監督。「(日本のクラブが)このレベルで試合ができることを証明できた。正しいフォーマットでニュージーランド勢と勝者を決めるのがあるべき姿」。改善を求めたのは、日本や世界のラグビー界発展を望み、選手を思うがため。普段は温厚な名将の目は、この言葉を発した時、鋭い光を放っていた。

 「今のままではルーズ(負け)、ルーズ、ルーズだ」

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